Luce Wald

フィギュアスケートは好きですか?僕は大好きです。

In one of the stars I shall be living. In one of them I shall be laughing. And so it will be as if all the stars will be laughing when you look at the sky at night.

Top 50 performances of All time *16-32*

http://sthmytkh.blog108.fc2.com/blog-entry-3070.html の続き。ベストパフォーマンスパート2です。

32.マディソン・ハベル&ザカリー・ダナヒュー 2015年エリック・ボンパール杯SD:ハレルヤ プロトコル
SD:64.45(1位) パリ同時多発テロ事件のためフリー種目が中止 総合:64.45(1位)
トップ選手というものはジュニア時代から才能豊かで、順位が伴わなくても「伸びる」という予感はするものです。カップル競技ではシニアに上がってからの組み換えが少なくなく、この2人もそうでした。そのような場合でも、組んで2シーズンもすれば伸びる伸び悩むというのはなんとなく分かってきます。彼らは2、3シーズン経っても個性をこれといった売りを見つけられず、若手がシニアに上がると一気に抜かれる可能性も見えていました。しかしながら、2015年にモントリオールに移ってからは状況と路線が激変。アイスダンサーに必要な「エロ」が絶対的に不足しているのをカバーする、人間臭いプログラム。人と人とのコネクションを極限にまでリアルに演じる路線がハマりました。マディソンは兄とのカップルを解消して、このカップルを結成しましたが、結成当初は不安な気持ちが多かった。そんな彼女に堂上が歌い聞かせたのがハレルヤです。女性ダンサー随一の高い技術力が、2人の結成から新天地での飛躍を表現し、観客に訴えかけます。それまでとのあまりの変貌っぷりにあんぐりとしてしまいました。これを起点に快進撃が始まりました。これからの1、2年で世界選手権のメダリストになることは疑いようがありません。自分たちに合う環境にいることが大切だと証明した好例です。

31.イザベル・デロベル&オリビエ・ショーンフェルダー バンクーバーオリンピックFD:見果てぬ夢 プロトコル
CD:37.99(6位) OD:58.68(7位) FD:97.06(6位) 総合:193.73(6位)
何十回と観てきたのに、未だに瞳が潤んでしまいます。2008年世界選手権の優勝で初めて表彰台に立ち、次のシーズンにはファイナルも獲りました。何事もなくオリンピックまで2人の時代が続くと思われましたが、イザベルが怪我。その後妊娠が発覚し、リンクに戻ったのは大会の3ヶ月前でした。プログラムの全貌が分からない状態で、オリンピックがぶつけ本番でした。CDとODから察するに完全な仕上がりにはなっていませんでした。メダル争いから後退し、最後の演技。お馴染みの小芝居から始まり、「私はバレリーナになりたいの」「僕はスタントマン」「それか私は美容師になりたい」と台詞入りの音源。スパイラルを入れてから、最後まで上達しなかったツイズル。ここですでに涙が出ます。「あー最後までデロションだな」と。2つ目の台詞「私は自分の国のために滑りたいの、そんな見果てぬ夢を見てる」で衣装をチェンジし、子供から大人へ成長。これは2人の生き様。生き様を描くためにリンクに戻ってきてくれた。キスクラでスケート靴を脱いで掲げるデロベルの姿を見て、また涙しました。

30.デニス・テン 2015年四大陸選手権LP:Ambush from Ten Sides for Pipa, Sheng, Guitar, Cello and Orchestra プロトコル
SP:97.61(1位) LP:191.85(1位) 総合:289.46(1位)
シルクロード民族音楽風プログラムに手を伸ばそうと思わないし、振付したローリーもすごい。いくつも曲が転換しますが、その1つ1つに情景が浮かびます。ラクダの背に乗り、殺風景な中央アジアを旅する。道中ではきっと盗賊も現れるでしょう。危険を回避しながらオアシスで一息。雄大なモンゴルの平野を抜け、人々の行き交う賑やかな長安へと辿り着く。ステップから曲が変わり、動きの激しさが増します。ここでテンくんのダンスのキレが生きます。どうして氷の上でこれほどまでに素早く動けるのでしょうか。ステップシークエンスは全ジャッジから+3評価を受けているわけですが、+3以外つけようがないでしょう。でもステップ単体が優れているというよりは、このプログラムの終盤に配置されたからこその+3だと思います。前半の表現があり、その対比での激しいダンスが作用し、GOEもPCSも相乗効果で引き上げました。2月男の称号を確かなものにした演技でした。

29.髙橋大輔 2012年世界選手権LP:Blues for Klook プロトコル
SP:85.72(3位) LP:173.94(3位) 総合:259.66(2位)
4回転を入れる選手が急増し、男子の技術レベルが上がり始めたシーズン。この大会は上位勢の大きなミスが少なく、とても見ごたえのある試合でした。Blues for Klookといえば、当時の僕にとってはユーロの影薄(今となっては死語)選手が前半グループで滑るイメージの曲。4分半も持てせられるのか?という疑問がありました。それをシーズンの前半ですでに解決してくれてはいたんですけど、完璧なのがこれ。曲に大きな変化はないけれど、進むにつれて少しは強くなります。それに合わせて3A-3Tや3Lz-2T-2Loを降りると盛り上がることなんの。場内のボルテージと比例して、彼のキレも倍化されていきます。春先の深夜実況で下がった体温が、38.5℃まで上がってしまったような感覚になります。「どうでした?」と首を傾ける余裕の笑顔が、ブルースのプログラムとマッチしていました。ブルースは哀愁を漂わせるだけではないのだと知りました。

28.フェデリカ・ファイエラ&マッシモ・スカリ バンクーバーオリンピックFD:移民 プロトコル
CD:39.88(5位) OD:60.18(5位) FD:99.11(5位) 総合:199.17(5位)
ゴッドファーザーで使用されていた曲ですが、移民のプログラムとして台詞を吹き込んで使用しました。冒頭のストレートラインリフトと終盤の男女逆転ストレートラインリフトは出港と入港を表現しているのでしょう。シチリア島から出た船が長い航海の末、ニューヨークのエリス島に到達するわけです。アメリカへの期待と不安と、故郷に残した人々への惜別の情が渦巻いているけれど、狭い船の中で身を寄せ合いながら、2人で生きていこうと決意する。ほら、汽笛が聞こえるぞ。当時はリフトのアクロバティック化に反感の声も多く聞こえまして、曲想を反映した、波のように優しい2人のリフトは歓迎されていた覚えがあります。アクロバティックにしないことで、かえって目立っていました。演技を終え抱擁を交わし、ファイエラにキスするマッシモさんはマッシモさん史上一番かわいい。

27.アダム・リッポン 2016年スケートアメリカLP:O プロトコル
SP:87.32(2位) LP:174.11(3位) 総合:261.43(3位)
ジャパンオープンに出場してから、わずか半月の間にLPを作り変えました。前のシーズンのエキシビション曲でしたから、スタートが違うにせよ、急造プロは無理があると思っていました。そして実際に完成したのは傑作。片翼の折れた群れのリーダーの鳥が、傷を癒し空へと羽ばたいていくというストーリー。後半の3連続までは手を胸の前で折り、骨折を表現していますが、そこから少しずつ元気を取り戻し翼をバタつかせていきます。そして仲間を率いて大空へ・・・。4Tの転倒が引き金にストーリーが展開されているようにも思えました。もちろん4T初成功したフランス杯での滑りも見事ですが、ファーストインパクトが5Gぐらいかかったのでスケートアメリカを挙げました。フィギュアスケートでこんなプログラム初めて。アボットくんとのSing Sing Singとはまた別の、陸のダンスとの融合でありました。

26.テッサ・ヴァーチュ&スコット・モイア ソチオリンピックFD:四季 プロトコル
SD:76.33(2位) FD:114.66(2位) 総合:190.99(2位)
テサモエの4年間のプログラムスパンはダンス→ストーリー性のあるプログラム→コンテンポラリー→ロマンティックが守られておりまして、オリンピックシーズンは2大会連続でロマンティックな選曲になりました。隔年でテッサが手術をしたため、なかなか2人の技術バランスが釣り合わずにミスが増え、メリチャリに少しずつ差をつけられていました。団体戦ではミスが出ましたし、SDでは痛恨のレベル3評価を受けました。よほどのことがない限り金メダルはなく、滑走順にも恵まれなかった最終グループ2番滑走。キャリアベストの滑りでした。過剰に難しくしすぎたリフトを排することにより、テッサの美しさをシンプルに見せることに成功。そして、アイスダンスで何を見てるんだ?スケーティングを見てるんだ。そういったダンスファンの乾いた心に水を撒く猛烈にクリーンなステップシークエンス。ダイアゴナルステップの質には心を奪われました。金メダルは獲れなかったし、フラワーセレモニーで半ばヤケクソにハシャぐスコットを見るのは辛かったですが、現役を終えるのに相応しい演技でした。-完-
とはならず、オリンピックの金メダルを逃したことが競技復帰に繋がり、コーチを変更し、さらに上達するのでありました。

25.ナタリー・ペシャラ&ファビアン・ブルザ ソチオリンピックFD:星の王子さまと彼のバラ プロトコル
SD:72.78(4位) FD:104.44(4位) 総合:177.22(総合)
ベルアゴ、ドムシャバ、ホフノビ、ファイスカ、カーズ、ホフザボ。同年代のカップルが次々と引退していき、孤軍奮闘していたベテラン。異なるタイプの曲を組み合わせて、オリジナルストーリーを紡ぐ彼らのスタイルを最後まで貫きました。メダル目前での転倒、鼻骨骨折、内転筋断裂など毎年アクシデントを経験しながらオリンピックシーズンへと突入。年齢的なものもあり、フィジカルは徐々に衰えを見せ、なかなかクリーンな演技をできなくなっていました。しかし、オリンピック本番ではそれが幻だったかのようなキレで、ナタリーの緊張時に陥るフラットな滑りも見られませんでした。そうなると、2人の世界に引き込まれていくわけです。王子さまは自分の星から地球にやってきて、自分の小さな星にあったバラを「自分にとって大事なものだった」と気づきます。このプログラムでは最終的に2人は再会できたのかもしれません。それと同じように、演技の際にレベルとスコアに捉われていた自分の心に「楽しむことも大事だよ」と教えてくれました。4分の演技を見て涙を流しましたし、最高に楽しい気持ちになりました。素晴らしい演技でも4位、引退を撤回して出場した世界選手権では3位。2人の望んだ結果ではないと思います。でも、エンターテイメント性とメッセージ性のこもった演技は、心を豊かにしてくれました。引退後ナタリーは出産してISUの技術委員会に入りました。ファビアンは変なTシャツを着るコーチとして活躍しています。

24.クセニア・ストルボワ&ヒョードル・クリモフ ソチオリンピックLP:アダムスファミリー プロトコル
SP:75.21(3位) LP:143.47(2位) 総合:218.68(2位)
前シーズン、すぐにでも解散しそうな雰囲気を帯びていた2人。ニーナ・モーゼル先生のところに移ってから、大の苦手だったトリプルツイストを習得。エレメンツのクリーンさが増しました。改めて見返すと、この演技は船上で刺身に醤油ぶっかけました!ばりの荒削りで豪快なもので、表現面でも垢抜けません。でも若くて勢いがあり、地元の大歓声という後押しも加わり、ウィークポイントがむしろプラスになっていました。プレッシャーがかかる大会でベストの演技ができるなんてタダモノではないです。アラサー世代が多く、若い世代が少なかったペア界にとって、2人の活躍は明るいニュースでした。今ではすっかり大人のペアになりました。険悪なムードはいつの間にやら飛んでいきました。

23.ジェレミー・アボット 2014年全米選手権SP:ピナ・バウシュ プロトコル
SP:99.86(1位) LP:174.41(2位) 総合:274.27(1位)
全米選手権では、グランプリシリーズから編曲が変わったので、グッと分かりやすくなりました。作曲家三宅純さんご本人の編曲なので、「この曲はこういう曲なの!」という意志が垣間見えます。元々使っていたのは旋律が崩してあったり、主旋律がヴァイオリンになる変化の多いものでした。それがシンプルになったので、長身から繰り出されるダイナミックな動きがぼやけず、ダイレクトに伝わってきます。脳に直接語りかけてきます。振付は実はほとんど変わっていなくて、スタートとフィニッシュのポーズが違うぐらいです。編曲の大切さを知ることになりました。左右、インアウト、フォアバック、どの動きでもギュインギュイン進むスケーティングが堪りません。四肢ビヨンビヨンガッツポーズ大好きです。アボットくんはこういったランキングの類をすると必ず名前が挙がります。来シーズンあたり、もう一度挙がってみませんか。

22.アシュリー・ワグナー 2015年グランプリファイナルLP:ムーランルージュ プロトコル
SP:60.04(6位) LP:139.77(3位) 総合:199.81(4位)
ここは非常にこだわったところでして、ムーランルージュ2シーズン目の中途半端な時期の試合をチョイス。148点を出した2015年全米選手権、アメリカ女子10年ぶりのメダルを決めた2016年世界選手権が上がりそうなものですが、こちらなんです。そして、ムーランルージュ名演の次点を挙げるとしてもその2つではなく、3Lzがパンクした2016年全米選手権。2試合に共通することは力みのなさ。それとキンキンに仕上がっていないところ。プログラムは3つのパートに分かれています。ショーガールとして歌っているところ、いつかは成功してここから抜け出したいと願うところ、最後に野望の遂行しなければと決意するところ。特にファイナルでは真ん中のスローパートが少し弱弱しくて、女性らしさが滲み出ているんです。このショーガールは病気を持っていて、ただ野心にまみれた女というわけではありません。だから、女性らしさが一層強調されたファイナルの演技を推したい。見事な演じ分けでした。これがベテランの魅力。フィギュアスケートはジャンプ大会ではないのですから。

21.チン・パン&ジャン・トン 2013年世界選手権LP:エニグマ変奏曲 プロトコル
SP:63.95(6位) LP:130.69(4位) 総合:194.64(5位)
こんなに歩調の揃った演技は思い当たらない。異常なシンクロ具合を見せた演技です。まず冒頭の2Aが2人とも1Aになる時点で異常。そして、中国ペアなのにソロスピンの高速が回転でもズレないというミラクル。出は揃わなかったのですが、ほとんとズレないのは非常に珍しいです。有名なニムロッドへと移り、美しいムーブメントからデススパイラル。珍しくスローサルコウでステップアウトしますが、直後のスローループで立て直しました。長身ペアはスタイルの維持に人一倍気をつけなければならない反面、パンちゃんの歩幅が大きい分、ペアにありがちな女性が引っ張ってもらうシーンが皆無です。この時のパントンを超える、異常なシンクロを見せるペアに早く登場してもらいたいです。

20.髙橋大輔 2011年NHK杯SP:In The Garden Of Souls プロトコル
SP:90.43(1位) LP:169.32(1位) 総合:259.75(1位)
この音楽が一体何をモチーフにしているかは知らないです。でも、このNHK杯の演技をテレビ観戦しているときに頭に描かれたビジョンは、チベットの山々と風にはためくカラフルな布(お経が書かれたタルチョというものらしい)、そしてそれを眺めるチベット仏教の僧侶でした。彼は傍目から見て何かをしているわけではないです。でも頭の中では悟りを開くには・・・と思考を巡らせているんです。無心になるのではなく、思考する若い僧侶です。3Lzの前後の動きも素晴らしくて、まるで心の葛藤のようです。ステップシークエンスのところのイメージは夜。暗闇に灯篭か提灯の明かりがボボボボボと灯り、帯になっていくんです。そこを僧侶が歩いていきます。それが2分50秒でビビビときたインスピレーションもとい妄想。公式見解ではないので勘違いしないでください。僕の中で過去最高に行き過ぎた妄想が繰り広げられたプログラムです。

19.ユリア・リプニツカヤ 2013年スケートカナダLP:シンドラーのリスト プロトコル
SP:69.45(1位) LP:131.34(1位) 総合:198.23(1位)
いい演技はたくさんありますし、オリンピックの団体戦も素晴らしかったのですが、カメラワークと歓声でムードが殺がれるので、カメラワークが非常によく、シーズン序盤で鮮烈な印象を与えたこの大会をチョイス。モノクロ映画に登場する、唯一色の着いた赤い服を着た少女を模した、若いこの時期だからこそ演じられるプログラムでした。シンドラーのリストはメッセージ性が強く、ベテラン向きの選曲だと思いますが、このようなやり方もあるのだと、イリヤ・アベルブフの戦略に感服しました。後半にジャンプが5つ続く、一見すると女子としてはかなり偏った構成。でも、ジャンプを表現の一部にしているんです。街での迫害、ゲットーでの辛い生活、少女ながらに感じる悲嘆が乗せられているようです。スケートカナダの演技は表情も上手に撮られているので、すごく理解しやすいと思います。ちなみに赤い服の少女は本当に小さいので、映画では収容される前に殺されてしまい、遺体が運ばれていく描写がされています。

18.中野友加里 2008年世界選手権LP:スペイン奇想曲 プロトコル
SP:61.10(3位) LP:116.30(2位) 総合:177.40(4位)
女子のイベントどころか、この世界選手権の主役だと言っても過言ではなかった。そんな記憶に残る演技でした。このシーズンは好調で、グランプリシリーズで3Aを安定して決めていました。SP3位の好発進で、LPは最終滑走を引きました。日本女子の世界チャンピオン誕生は決定した局面での登場。3Aが決まり、3Lzが決まり、3連続が決まり、最後のジャンプが決まった次点で、誰もが「間違いない」と確信。最後はトレードマークのドーナツスピンで場内を熱狂の渦に巻き込みました。ところが、出たスコアでは表彰台にも乗れなかった。3Aと3Fの回転不足が影響しました。当時のルールで回転不足にアンダーローテーションはなく、すべて基礎点が1つ下のものになりました。仮に回転不足がなければ合計186点には乗ったので、優勝でした。実際足りてはいなかったし、仕方ないことではあるけれど、そこをなんとか・・・と思わずにはいられなかったです。それでも中野さんは不満な表情ひとつも見せませんでした。潔くて男前。そこにまた惚れました。

17.メーガン・デュハメル&エリック・ラドフォード ソチオリンピック団体戦SP:Tribute プロトコル
SP:73.10(2位) 総合:カナダ2位
ラドフォードさん作曲の、亡きコーチに捧げる楽曲。コーチのポール・ウィルツは、ラドフォードさんが人生で初めて出会ったゲイで、セクシュアリティーを受け入れる上で大きな影響を与えました。テレビで観るゲイは派手な格好をしていて、ウィルツに出会うまで普通のゲイがいることも理解していなかったそうです。さらに補足を入れますと、ラドフォードさんはスケートクラブに男の子が自分1人しかいないような環境で育ったので、余計に先生から受ける影響が大きかったのかもしれません。そんなバックグラウンドを抱えていますので、このプログラムは当然ラドフォードさんメインのプログラム。大抵のペアが女性メインのプログラムを組むものですが、デュハラドは片方がメインになるものが割と多い気がします。田舎の少年がオリンピックの舞台に立つ喜びを爆発させたのが、この演技。愛と喜びに溢れています。後にPさんのプログラムも手がけたラドフォードさんの将来の夢は、作曲家になってアカデミー賞を獲ることらしいです。先生に生きる道標を示してもらった少年が、いまやフィアンセがいるなんて。天国で喜んでいらっしゃるでしょう。

16.カロリーナ・コストナー 2014年世界選手権SP:アヴェマリア プロトコル
SP:77.24(2位) LP:126.59(6位) 総合:203.83(3位)
ソチでメダルを獲り、そのまま引退だと思っていたらまさかの出場。さらに3F-3Tと3Loの本気構成を成功させました。曲が彼女の優しい性格に重なり、あて書きされたのではないかと思えてきます。1800平方メートルのスケートリンクは聖母カロリーナの聖域となりました。天を仰ぎ見てお告げを受けるカロリーナ。すべての人の心を溶かす笑顔は母性に満ち溢れています。スピンはスタンダードながらも、美しい回転を保持。ジャンプの着氷からステップシークエンス、さらにトランジションの一連の流れがシームレスです。長い距離を移動しているのに、ステップシークエンスは実は40秒足らずで実施されています。歴代最強クラスのスーパースケーティング、日本の女性アナウンサーに勝る高度な清廉性、沈黙を守っていた観客が一斉に立ち上がる様子。2014年3月27日のあの瞬間、さいたまスーパーアリーナはアートでした。

つづき http://sthmytkh.blog108.fc2.com/blog-entry-3073.html

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