Luce Wald

フィギュアスケートは好きですか?僕は大好きです。

In one of the stars I shall be living. In one of them I shall be laughing. And so it will be as if all the stars will be laughing when you look at the sky at night.

2015-2016シーズン 宮原知子

8

宮原知子

USクラシック 優勝
スケートアメリカ 3位
NHK杯 優勝
グランプリファイナル 2位
全日本選手権 優勝
四大陸選手権 優勝
世界選手権 5位

SP:ファイアーダンス
LP:ため息
EX:Pennies from Heaven
EX:翼をください

ミス一覧
USクラシック・・・SP3Fアテンション、LP3Lz転倒アンダーローテーション
ジャパンオープン・・・オールレベル4ノーミス
スケートアメリカ・・・SP3Fアテンションアンダーローテーション、LP3Fアテンションアンダーローテーション・3Lz転倒アンダーローテーション
NHK杯・・・SP3Fアテンション、LP2Aアンダーローテーション
グランプリファイナル・・・SP3Feマーク
全日本選手権・・・SP3Fアテンション、LP2Loダウングレード
四大陸選手権・・・オールレベル4ノーミス
世界選手権・・・SP3Fアンダーローテーション
チームチャレンジカップ・・・オールレベル4ノーミス

つおい。これから分かるようにフリップのエッジをクリーンにできるかが課題ですね。フリップはエッジに気が行き過ぎるのか、回転も危ないときが多いようです。でも、2015-2016シーズンはセカンドトリプルの回転不足が1つも獲られなかったというのは成長の証です。昨シーズンは3度セカンドトリプルの回転不足がありました。この大技で失敗しないところがミスパーフェクトたる所以です。全大会で、きちんとコンボ消費しきったのも素晴らしい。

SPのファイアーダンスは新境地。これで彼女に落ちたという方も多いのではないでしょうか。初戦のUSクラシックとスケートアメリカとの間、1ヶ月程あったんですけど、この間に振付に手を加えました。まず3Lz-3Tに向かう助走のところで腕の開き方を変えて、ゆっくりと左右に開くようにしました。パッと開くよりも音楽の重みが表現できるようになりました。フライングキャメルの後に立ち止まってからピョコピョコと跳ねる振付。ここにも手が加わりました。いきなりピョコピョコしていたのを、腕を下からパーっとひまわりのように広げて、ステップの始まりを煽っていきます。この修正もよかった。ステップの終了で立ち止まってジャッジの方を向いての振付は、手を顔の横にやるものから手招きして挑発するような女性的なものに変わりました。スケートアメリカからNHK杯ではステップの途中の振付やタイミングに変化がありました。観客サイドからジャッジサイドに方向転換したときに、前はポーズをパーンととっていたのが、足を蹴り上げるようになりました。その直後にブラケットをするんですけど、ブラケットの後の姿勢をのけぞるように変えました。この1ヶ月の間には動きにバリエーションをつけてきました。8大会の演技を全て見返しましたが、変わったのはこれぐらいでしょうか。

3Lz-3Tの着氷後に右足だけで滑り、顔を伏せる振付。この表情が素晴らしいです。男の愚かさを悟るような女性らしい表情です。レイバックスピンからのトランジションと音楽とのマッチも素晴らしい。フライングキャメルの後の腕を開いてくるくるピョンピョンする振付は、2015-2016シーズンのモノマネしたい振付ランキング第1位です。ステップの前半部分のタイミングが、ほとんどの大会で狂いがなくて、いかに滑り込んでいたかが分かります。だから安定して音楽を表現できているのだなと。手で氷をさらうような振付がいくつもあって、それがまるでフラメンコで着る長いドレスのスカートのはためきを表現しているかのようでした。手で動きの流れを作って、そこに続くように体を動かす。それがスカートのように見える。すごく考えられたステップだと思いました。ツイズル~ループ~腕を開いてがに股。ステップの緊張感をほどいていくように緩やかにエレメンツを終え、指を折りながら男をそそのかす。「あたしを捕まえてみな」という具合にトップスピードに乗り3F、2Aと畳み掛けるようにジャンプを終えます。散々男を弄んだ挙句、男に頼らずとも生きていけるという強い女性像を提示したような、そんな演技でした。ディクソン、このプログラムに全身全霊を注いでパワー使い果たした説。

2015-2016シーズンベストプログラムのため息。シーズンの途中から加えた3Lz-2T-2Loの最後のタノが生きています。これが正しいタノの使い方ですよ!この控えめ加減。減塩味噌ぐらい控えめ。その後に駆け寄って行く振付は、実際に近づいていくというよりも、むしろ「大好きな人に近づきたい」という感情の表れなのではないかと思います。好きな人への思いを募らせていくかのように丁寧に、でも強さを増していくステップ。先述の駆け寄って行く振付の直後のブラケットとステップの終盤のブラケットが対になっていて、「よし話しかけるぞ」と決意する女の子のように見えました。3Fへと向かう助走で右手をバンッと出すところが、まさにそれです。コンビネーションスピンはいざ!と歩みを進めたのに、やっぱり無理だと引き返してしまう様子を逆回転で表現していると妄想しました。残念ながらコンビネーションスピンの後の顔を伏せる振付が、シーズンが進むにつれてなくなってしまったのですが、アチャーと顔を赤らめる王道少女漫画の主人公っぽくてかわいかったです。なんでなくしたんですか!おい!1番好きだったのに!フライングキャメルの後の駆け寄る振付は、全日本までが好きな人の後ろを付いて行く感じ。そして四大陸からが好きな人の正面から突っ込む感じ。でもどちらにしても結局話しかけられないまま終わってしまう。コレオシークエンスはしっかりとエッジの丁寧さを見せ付ける彼女の王道パターンです。これはスパイラルで足を下ろす瞬間まで神経を行き届かせて、ワルツジャンプでクルッと締めます。レイバックスピンはロシア女子のような脅威の軟体スピンではありませんが、しっかりと高評価を獲得しています。単なる柔軟性に限らない「やわらかさ」ってありますよね。ラインの醸し出すやわらかさ、空気のやわらかさ。そういったものが大いにプラスに働いているのでしょう。告白できなかったから諦めてしまおうかな・・・でも思い返してみると、やっぱ好きだな。そんな多くの人間が学生時代に心に宿したであろう感情を氷の上に具現化してくれました。全日本までが高校の教室、四大陸からが大学の図書館。そういった趣でした。大きく振付を変えたわけではないのに、空気が一気に変わりました。衣装のスカートのボリュームが素晴らしかったです。ピンクのひよこみたい。体が小さいので、衣装で大きく見せることは大切です。

エキシビションの動画リンクは、せっかくなのでショウマ・ウノさんの紹介してくださったスケートアメリカとTCCを貼っておきました。ティリティリしている傘を持ったペニーズフロムヘブンは、こんな洒脱なものを演じられるのかとびっくりしました。ツッバッサヲクダッサイは英語版でよかった。日本語だと笑ってしまうし、ボーカルなしだと寂しいので。腕のヒラヒラはカーテンみたいになっちゃう人多いのに、おかしくならなくてよかったです。腕の真ん中の部分の布を1番長くすればバランスとれるのか。ヒラヒラ衣装を使う少年少女のお母さんたちはマネしてみましょう。

大先生が大先生たる理由を抜群の安定感から示してくれました。ここぞというときに頼りになる、失敗しないのが宮原知子です。ワールドでは惜しくもメダルを逃しましたが、こんなこともありますわな。何か言われるような結果でも内容でも全然ありませんでしたからね。西岡さんが「新時代のミスパーフェクト」と実況でおっしゃったので、「あ、それ言っていいんだ」ということで、せきを切ったように言われるようになりました。僕も言うようになりました。そのパーフェクトっぷりが新しいシーズンも楽しみです。新しいLPのテーマが平和と愛ということで、また新たな一面を見せてくれることでしょう。ミスパーフェクトではあるけれど、女王ではない。女王というよりは姫。和服を着たお姫様。それが宮原知子大先生。

8 Comments

6番 says..."匿名のAさんへ"
匿名のAさんへ

あー安心しました(笑) それならじゃんじゃん読んでください!

ウィバポジェは2番手扱いされてしまいましたが、ファイナルへの可能性はこの組み合わせの方が高いので、国際大会で力を見せて欲しいです。
2016.07.14 03:37 | URL | #q2p5Nno. [edit]
6番 says..."rikuさんへ"
rikuさんへ

はじめまして。コメントありがとうございます。

努力が報われることを彼女が体現していますね。生半可な努力ではなく、本気のやつですもんね。外国人の抱くステレオタイプの昔の日本人がタイプスリップしてきたような感じです。このエキシもシーズンを経るごとに素敵になっていくのでしょうね。
2016.07.14 03:36 | URL | #q2p5Nno. [edit]
6番 says..."Creaさんへ"
Creaさんへ

フリップのアテンションがなくなれば、もう。もう!ますますミスパーフェクトに近づき、世界にもミスパーフェクトの名が広まりますよ。宮原×ディクソンの組み合わせは最高ですね。これからもずっと仕事を続けて欲しいです。
2016.07.14 03:33 | URL | #q2p5Nno. [edit]
6番 says..."raindropさんへ"
raindropさんへ

はじめまして。コメントありがとうございます。

NHK杯のエキシビション僕も大好きです!あれはめちゃくちゃ印象に残りました。大先生が引退するころには、老師と呼ぶようになっているかもしれません。
2016.07.14 03:31 | URL | #q2p5Nno. [edit]
says..."管理人のみ閲覧できます"
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2016.07.14 00:24 | | # [edit]
riku says..."はじめまして。"
いつも記事を楽しみにしています。初コメントです。
先日DOIの放送を見ましたが、宮原さんの仕上がりぶりに
驚きました。

日本人にはこういう洒落た大人のプロは難しいと思うんですが、顔の角度、体全体の使い方、すべてに気持ちが行き届いていて本当にすばらしかったです。
あの小さくてシャイな女の子だったさっとんが、こんなプロを滑るようになったんですねえ…。

努力家の彼女の今シーズンが、良いものになりますように。
2016.07.13 20:35 | URL | #- [edit]
Crea says...""
フリップはやや苦手意識がありそうですが、表現力はグッと良くなりましたし、
ミスパーフェクトの名に相応しい内容だったと思います。
着実に成長しているので、今季はきっとアテンションもとられなくなると期待しています。

ディクソンの良い仕事っぷりに本当に感謝したいです。
ミスサイゴンも好きでしたが、ファイアーダンスは本当に良かったですもん。
2016.07.13 19:34 | URL | #izVa12PI [edit]
raindrop says...""
はじめまして。
いつも楽しく拝見しています。

今シーズンも宮原選手、素晴らしかったですね。
個人的にはNHK杯のエキシビションがとても印象に残っています。翼をください~ファイヤーダンスの演じ分けが素晴らしくて。同じ衣装なのにアンコールでは腕のヒラヒラが白い炎に見えてゾクゾクしました。いつの間にこんなに自信に溢れて表現も出来るようになって…と感動しました。
来シーズンも更なる活躍に期待ですね。

余談ですが6番さんの大先生呼び、大好きです。ミスパーフェクトより女王より大先生。彼女にぴったり。
2016.07.13 13:05 | URL | #- [edit]

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