Luce Wald

フィギュアスケートは好きですか?僕は大好きです。

In one of the stars I shall be living. In one of them I shall be laughing. And so it will be as if all the stars will be laughing when you look at the sky at night.

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2015-2016シーズン ジェイソン・ブラウン

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ジェイソン・ブラウン

オンドレイネペラトロフィー 優勝
スケートアメリカ 3位
アイスチャレンジ 2位

SP:Love Is Blindness
SP:Appassionata
LP:ピアノレッスン
EX:Canned Heat

頭おかしい1つ目のSP。シーズンオフの振り付けの映像が出た時点で、ステップの休憩や力の抜きどころのなさに驚愕し、これほど要素を詰め込んでも人間は演技をし続けられるものなのかと思いました。最初の3Aの入りは慎重に。普通のバレエジャンプをすると見せかけて、反対側に体を回して入っていくフライングシットがかっこいい。そこからリンクの左端までクロスで進んでから、フリーフットである左足をクイッとさせた、その置き方がなんともオシャレ。チョクトーで方向転換して蝶ネクタイをキュッキュッとしてからの3F-3Tもいいです。着氷後に片足で滑る振付とトゥステップが、その直前のチョクトーの雄大さと対称的で、お茶目な部分を一層観客に伝わりやすくしていると思います。チェンジキャメルの出でフリーレッグを振り子のようにして、それに続くように両腕をブンッと振る動きは、「もういっちょやったりますか」とフロアで踊る彼の様子を見せているようでした。稀代の鬼ステップは一切休むところがなくて、前半でスタミナを使っていると露骨に疲れが見えてしまう危険なものです。チョクトーからループ、その回転のまま足を踏み変えてホップ。さらにホップを入れてキック。足がプルプルしそうな前半部分。後半部分にターンがたくさん入っていて、ここは音楽に合わせるのが難しそうです。実際きっちりと合わせられていたようには見えませんでした。そういったところがプログラムを変えるに至った理由の1つにあるかもしれません。ガチムチになる前のソチシーズンの演技と比べると、エッジが深くなって、押して押して滑っているような感じは緩和されてきたと思います。それでも、クロスの音楽とのマッチングにはまだ課題がありそうで、これから改善して欲しい箇所の1つです。ステップはスケートアメリカではレベル4を獲得できましたが、+1.20の加点だったので全てのジャッジからは+2はもらえませんでした。地元でこの評価だったので、まだまだ足りないということなのでしょう。このアップテンポな選曲はブラウンとしてはかなり挑戦的なものでしたから、中間シーズンとしては正解でした。完成形を見たい気持ちはありました。

TCCで披露した新SPは、LPのしっとり路線を持ってきた反則だろ感もありつつ、こんなの滑ったら高得点出るに決まってるじゃん感もあります。いきなりスパイラルでグッと演技に引き込みます。旧SPと違い、フリーレッグを動かして魅せるのではなく、静止させ指先の動きでアピールする。そんな3A前に向かう前のリンク右端の助走。湛えた悲しみを振り払うようにフォアで突っ走り、流れのあるステップから入る3F-3Tの工夫。そして、3Lzの前にも手を広げてフォアで派手に走って行きます。前のプログラムならこのような構成は、細々としたステップから浮くと思いますが、この音楽だからこそ成立すると感じました。3Lzを着氷したときのフリーレッグと腕の角度の美しさ。これも素晴らしいです。スパイラルを多様したことにより、LPとの差別化は失われてしまいましたが、計算しつくされた構成でした。

LPはピアノレッスン。ピアノレッスンという選曲が出た時点で、まず演じるハードルが上げられます。デロションのプログラムがあるというのはもちろんなのですが、この音楽はとてもいいので、どのスケーターが滑っても大抵いいプログラムになってしまうんです。三大いいプログラムになりやすい曲はピアノレッスン、エデンの東、ラフマニノフピアノ協奏曲第2番。曲の助けが借りやすいですしね。僕の中で見る目は厳しく、合格ラインの高さが何十年も世界記録が出ない走高跳のバーのような状態に加え、怪我明け、さらにはワールドが終わって完全に気の抜けていた僕の目に飛び込んできたTCCの演技。ラインをパーンと跳び越えていきました。ジャンプ構成を落とし、後半の3Aの入りが簡単になり、、コンビネーションスピンがやや簡素になり、3Fの前のバレエジャンプがなくなっても、それでも跳び越えていきました。2Aの前の大きなファンスパイラル。これでまず引き込まれます。よく男子選手のスパイラルやスピンを賞賛する言葉に「女子選手並みの~」というものがありますが、いやいやそういうのじゃないんです。これは男子選手だからこそ美しい。身長もそうですし、たくましい筋肉があるから女子選手とは違った趣が感じられる。悲哀の中にあっても失わない芯の強さ。そのようなものさえも感じ取ることができます。緩急のついたステップではディープエッジを見せる一方で、踊りの美しさでもうっとりとさせてくれます。お客の来ない寂れた雑貨店のショーケースの中で踊る人形のような、たくさんの人の目に映りもしないけど、いつか誰かが自分を見つけてくれる日を待っている。闇の中の一筋の光を掴むような。ポエムが止まらないです。指先を見つめてからアラベスクスパイラル、ウォーレイ、3Lz、3F-3T、2Aと畳みかけるように要素をこなして絶品のコレオシークエンスへ。特別変わったことをしているわけではありませんが、ここまでの振付をまとめ上げる美しいエレメンツです。髪に触れ、後ろを気にするように入る3Lo。不安を抱えつつも前に踏み出そうとする感情表現になっていると思います。終盤に向かってゆっくりと暗雲が取り払われていくようなプログラムです。TCCの演技は2015-2016シーズンの全選手の演技の中で5本の指に入る名演だったと思います。ブラウンの演技を見られただけで、TCCを開催した意義がありました。これに4回転が加われば190点が見えてきます。

ボーヤンと昌磨の躍進で一旦はヤバいかな?と思いましたけど、プレシーズン、そしてオリンピックシーズンにメダルに絡んでくる存在に成長できるか楽しみになりました。腰の怪我がなければもっと活躍を・・・とは思いますが、また全米選手権での活躍を期待しましょう。美女ゴールドやワールド銀アシュリーよりも、USAFAのブラウンへの期待度は高いでしょう。もちろんポテンシャルがあるというのもそうですし、時代が求める存在だからというのも理由です。でも気負いすぎず、いつも笑顔のブラウンでいて欲しいです。NHK杯での日本語披露お待ちしております。去年欠場になってしまったので、絶対に絶対に絶対に来てください。THE ICEにも出ますけど、NHK杯というのが重要なのです。

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