2016
06.08

2015-2016シーズン アデリナ・ソトニコワ

アデリナ・ソトニコワ

モルドヴィアンオーナメント 2位
ロステレコム杯 3位
ゴールデンスピン 6位
ロシア選手権 6位

SP:ラテンセレクション
LP:Je Suis Malade
EX:白鳥の湖

頬骨のシェーディングが強くて油絵のような顔になっているSP。3T-3Tの成功率は半分、3Fの成功率も半分でして、ジャンプは大変厳しかったです。3T-3Tを入れており、後半のジャンプは2Aだけなので上位勢の中では1番基礎点が低くなってしまいます。今シーズンマークがつかなかった3Lzが1本しかなかったこともあり、3Lz-3Tの導入は望めません。3F-3Tと3Loを入れられればいいのですが、彼女の詰まるような3Fの着氷からは3Tは難しそうです。3Fは昔から安定感を欠いていますが、今シーズンは高さがなかったのでタイミングを掴みかねていたのかもしれません。待ちのない美しい入りをしているのですが。SDのように急に音楽が変わり、高低差で耳キーんとなり、小島よしおのウェーイをして2Aに入っていく演技後半。2Aの着氷後に蹴り上げてガオーっと吼えてレイバックスピン。ワンハンドビールマンが映えるかっこいい一連の動作だと思います。ステップがリンクの中央からスタートして、蛇行しながら観客側、そしてジャッジ側、観客側の外周を沿うように進んで、また手前の方に戻ってきて、ステップを開始したあたりでスピンをしてフィニッシュ。ステップは40秒間なので、ごくごく平均的な時間ですが、かなり移動距離はあると思います。これはレベル取りのターンの間を両足でのスケーティングやホップを使うことで、しっかり移動距離を稼いだからでしょう。その場で完結させてしまうと、勢いをアピールできませんから。後半はサンバなので、もっとお尻振って、足元細かく動かしてアピールするのがいいのかもしれないですけど、フィギュアスケートですから、しっかりと滑ることに重きを置いたのはよかったです。彼女は滑ってナンボです。僕は「フィギュアスケートは氷上のバレエ」とも「アイスダンスは氷上の社交ダンス」とも考えていない派なので、陸上のダンスを氷の上にそのまま持ってくることに賛成ではありません。いかにスケートの中で美しいかが大切です。健全さが目立っていたので、もっとあっけらかんと楽しそうな雰囲気が出たら、新たな一面が見られていただろうなと思います。彼女は曲に合わせるというより、変曲に対して「おい曲!あたしに合わしてこんかい!」というねじ伏せ型なので、このプログラムもその様にアデリナイズされました。

LPは競技プログラムとしてはとても珍しいリンク際からのスタートでした。部屋の片隅で打ちひしがれている雰囲気を出しています。30m×60mのリンクですから、広さとしては980畳ほどの部屋で打ちひしがれているのでしょうね。3Lz-3Tの後に1回転してから手を前に出して、男に駆け寄るような姿がいいです。SPのステップと同じように両足で滑るところをスピードや距離を出すために上手に使っています。あたし漕いでますよ感を感じません。ロステレコム杯とナショナルの間に少しタイミングを変えたのか、ステップに入る位置が早くなりました。編曲もほんの少しだけ変えました。同時再生してみると分かります。ゆったりとロッカーから入っていくステップは腰をかけていたベッドから腰を上げ、980畳の部屋から灰色の街に出て行くような雰囲気。トレンチコートを羽織っているのに11月の風が骨身に染みる。向こうからやってくる幸せそうなカップルを足早に横切り、小汚いリカーショップに入ってウィスキーを買う。でもそんなウィスキーの味も分からないのよ・・・ぐらいの暗さ。ロシアは18歳から飲酒OKらしいので。変わったステップではないけれど、フレーズをよく捉えられていると思います。後半に入って最初のジャンプが2A-3T。彼女の2A-3Tは現役女子選手の中でも随一の破壊力があります。2A自体1番上手なのではないかと。決まればエレメンツの加点だけではなく、PCSにもプラスになりそうな迫力です。ゴールデンスピンでは2A-3Tを2本を試そうとしていましたが、上手くいきませんでした。点数を取るためには現実的な構成だと思うので、来シーズンもトライして欲しいです。SPと同じく組み込んだワンハンドビールマンは、音楽のビートがなくなってボーカルだけになった位置に入れられています。今シーズンは体力が戻りきっていないので、回転速度をキープできていませんでした。なので強いボーカルに負け気味で加点は抑え目でした。ナショナルですらほぼ+1でした。毎シーズンおかしなポジションをしてくれる変態キャッチフット。体よじりすぎで腸がおかしな位置に入りそう。感情がグチャグチャになる様をよじれたスピンで見事に表していると思います。変態の正しい使い方。彼女のプログラムは男子のように氷をガシガシと掴むスケーティングを生かした女子っぽくないものが多かったですが、今シーズンはかなり女性らしさに重点を置いたものでした。ジャンプと同じくスケーティングも完全に戻っているわけではないように見受けられ、ややパワー不足。最後まで体力が持たないし、上手くごまかしてはいますが、両足で滑る箇所も多かったので物足りなかったです。完璧に戻った状態での難易度の高い演技構成が期待されます。衣装はスカートスケスケでしたが、プリーツのような縦の模様が入っていたので気になりませんでした。スケスケスカートはこうやって処理をすればいいんですね。青より黒衣装の方がよかった。

白鳥の湖よりは、映画のブラックスワンのような雰囲気。昔チュチュ着て滑った白鳥の湖とは正反対のダークな面を見せています。途中からラフに結んでいた髪を下ろして振り乱しながら滑るのもいいです。暗闇の中でスポットライトを浴びながら滑るのが、自身の妄想の中でプリマになりきっている様を見せるのにピッタリです。エキシビションだからこそ成立する演じ方。試合でも使うY字スパイラルの後にやる、ホオズキみたいな形の変なポジションのスパイラル。おどろおどろしさの増幅に一役買っています。1つもジャンプがないのに魅せられます。オリンピックで勝ったのに、ボーカルのムード押しプログラムを滑らないのがありがたい。いや、そんなプログラムは先生たちが滑らせてくれないのかもしれない。

オリンピックで勝ってから1シーズンの休養を挟んで戻ってくることは勇気がいったでしょうけど、戻ってきてくれて嬉しかったです。いい結果は残せなかったですけど、本調子ではないので、ここから上げていけばいいのです。今の彼女の演技を見て「これがオリンピック金メダリストの演技?」と笑う輩はいるでしょうが、僕はそんなやつらに言いたい。ソトニコワは元々そんなに安定感ねえよと。それではオリンピックがマグレか?という話になりますけど、マグレと地元開催というだけでユナとカロリーナには勝てません。勝てるだけの力があったから勝ちました。僕は昔からソトニコワのスケーティングが大好きですし、スケーティングスキルで9点台(インフレしてない状態で)を狙える数少ない女子スケーターだと思っています。だからこそ、一層復活&進歩を望んでいます。元気な姿で普通の編曲のプログラムを滑ってください。
コメント
匿名のAさんへ

ハベドノに別れている感あまりないですよね。むしろ付き合っているときよりも演技の距離感が近いような気さえします。スマートさんはバックランド弟のパートナーだった選手ですね。ほんと狭い。
6番dot 2016.07.01 00:51 | 編集
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dot 2016.06.24 23:20 | 編集
匿名のMさんへ

たしかにまだまだ荒削りな部分はありましたけど、個人的には大器を思わせる演技でした。トップ3のうち残りの2人が、彼女たち比で無難なパフォーマンスになっていたところで、あの溌剌とした出来でしたから。これがバンクーバーやピョンチャンで開催されていれば、金メダルは別の選手になっていたでしょうが、「金メダルなんて絶対ありえねえよwwwww八百長おつwwwww」という範囲には行ってなかったと思います。点数出しすぎなんだとしたら、他の選手の加点やPCSも大概でしたしね。
6番dot 2016.06.24 14:47 | 編集
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dot 2016.06.15 10:58 | 編集
miiさんへ


謎編曲というのもありますし、音源もすごいの出てきますよね。とにかく普通でお願いしたいです。普通からスタートできれば彼女の力でいいプログラムになるでしょうからね。
6番dot 2016.06.08 23:06 | 編集
匿名のYさんへ

はっ・・・・・突撃フィニッシュ絶対書こうと思っていたのに忘れていました。ネタにしてくださいと言わんばかりの振付ですのに。すまない突撃。
6番dot 2016.06.08 23:00 | 編集
”マグレと地元開催というだけでユナとカロリーナには勝てません。勝てるだけの力があったから勝ちました”
その通りですよね。私が思っていたことをスパッと言っていただいてすごく嬉しかったです!
高さのあるジャンプもすごいですが、アデリナは何よりスケーティングが魅力なのを、もっとたくさんの方に気付いてほしいなぁといつも思っています。
神編曲とは言わないので、せめて彼女のスケーティングが生きる普通の編曲のプロをお願いしたいです…
miidot 2016.06.08 19:14 | 編集
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dot 2016.06.08 18:41 | 編集
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