Luce Wald

フィギュアスケートは好きですか?僕は大好きです。

In one of the stars I shall be living. In one of them I shall be laughing. And so it will be as if all the stars will be laughing when you look at the sky at night.

2015-2016シーズン アンナ・ポゴリラヤ

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アンナ・ポゴリラヤ

オンドレイネペラトロフィー 2位
モルドヴィアンオーナメント 優勝
中国杯 4位
NHK杯 9位
ロシア選手権 3位
ヨーロッパ選手権 3位
世界選手権 3位

SP:ヴァイオリンと管弦楽のためのボレロ
LP:シェヘラザード
EX:シュニトケのタンゴ

今シーズンはニコライ・モロゾフが振付師になりました。そして生まれたこの抜群のコンビネーション。新たなモロゾフのミューズが誕生したシーズンでもありました。今は18歳ですが、シーズンを戦っていたときは17歳。それでこの色っぽさ。そして長身&手足の長さ。ただ長いだけだと蜘蛛でも手足は長いですから、それを生かしきれたのがよかった。フィギュアスケート界隈での褒め言葉に多用される「大人っぽい」「長身&手足が長い」は、ポゴリラヤのためにあるような言葉です。やたらと使うもんじゃあない。

SPは振付師のCDラックには必ずあるヴァネッサ・メイのやつ。同じアルバムには剣の舞とタンゴ・デ・ロス・エクシラドスが入っていて、スケート界的な目で見れば、そやつらの影に隠れていた曲。それを圧倒的な迫力で演じました。シーズン全欠フォールと命名した、重症を負いそうな転倒のリスクのあるデカい3Lz-3Tで観客を釘付けにして演技が始まります。ジャッジの方を向いてポーズを取り、クイッとブラケット。その姿勢から脚を上にもういっちょクイッがかっこいい。ジャッジを横目で睨む感じもたまりません。「どう見た?あたしの3Lz-3Tすごくない?」と言わんばかり。3Loの入りは昨シーズンと同じです。これをスケーティングムーブメントから即座に行っていると捉えられるかというと、なかなか難しいでしょう。少し待ちがありますからね。インフレしていたモルドヴィアンでは0.84点加点をもらっていますが、成功した中国杯と世界選手権では全ジャッジが+1を出していないぐらいの加点でした。3Fが厳しい以上、ここで確実に点数を取らないと他の選手にTESで遅れをとることになります。試合を見比べていると、ユーロの入りが他の試合より妙に早かったんです。彼女の3Loは、ターンの後に構えて1.7秒前後で踏み切るんですけど、ユーロだけはそれが1.5秒ほどでした。2Loになってノーバリューにはなりましたけど、ユーロの踏み切りタイミングが目指すところでしょう。この0.2秒が踏み切りのタイミングを掴むための一呼吸なのでしょうが、無くせると+2が狙えるのではないかと思います。3Loをスケーティングムーブメントから入れるのは難しいですね。個人的には6種類のジャンプの中で1番構造が理解しえないです。こんなものがどうして跳べるのか。キャメルのキャッチフットはきれいに見せるのが難しいですが、彼女は上体を引き上げて美しく回転しています。体がベチャーンとなってしまうこともよくあるポジションです。2シーズン前は彼女もベチャーンとしていたんですけど、年々柔軟性増してます?ユーロを境に振付が変えられたのが2Aの入りです。スパイラルを無くして方向転換を多様しています。スリーターンからの入りは同じです。僕は変更後の方が好きです。特筆すべきは成功率の上昇。今シーズン失敗したのは、NHK杯のSPでだけでした。あと20発は全てプラスでした。昨シーズンまでのような、かろうじてプラスに乗っかるようなギリギリの着氷がなくなり、流れも出せるようになりました。これは一体何なのか。スピードが上がったのがよかったのでしょうか。世界選手権では着氷後のジャンプをなくしてしまったのがもったいない。統べる感じがかっこよかったのに。ステップはスリーターンから一気に加速して入ります。この入りは序盤の3Lz-3Tの後のトランジションのスタートと似た感じの場所から始めているので、同じ動きを見せることで、後半でも勢いを失っていないということをアピールできていました。リンクを大きく使っていて、肩から肘からしなる腕とのハーモニーがたまりません。迫力が何倍にも増幅します。

LPのジャンプ構成は昨シーズンよし少しだけ下がりました。後半の3Lzを前半に持ってきたので、0.6点だけ少なくなりました。得点源の3つのジャンプを最初に終わらせます。ステップは昨シーズンよりも足首をしっかりと使えているからか、1歩の滑りが目に見えて変化しました。どうぞ昨シーズンの火の鳥と比較してみてください。チョイチョイチョイーという動きが、ズンッズンッズンッという動きに変化しました。シーズンはじめはステップの中にウィンドミルが入っていましたが途中から抜きました。音楽の緩急とのバランスを重視したのでしょうか。急ブレーキをかけて、天に向かって「フアアアアアアアアアアアアアア」とするところかっこよすぎ。高揚感をかき立てます。このプログラムの中で1番好きな振付は、後半最初の2Aの後のトランジションで腕をフニャフニャーとしてから、前傾姿勢になって左足を上げるところです。何かよくわからないけれどいい。3Lo-2Tの後からコレオシークエンス。美しいスパイラルを2つ入れてから2本目の2Aに入っていくのですが、個人的にはここにもう1つ表現のインパクトや余韻が欲しかったです。ユーロの後にコレオシークエンスの出方を変えて、ブラケットから出ることにより、方向転換をせずに余韻を残すような振付にしたのだと思いますけど、それでも物足りないです。すべてを横たえさせるかのような包み込むような女性らしさをふっ・・・と出しつつ、3Fからクライマックスへの盛り上がりへと繋げて欲しかったです。すごく細かいですけど、感覚的にね。僕は今まで彼女の演技に対して、再三「後半の展開力が足りない」と申してきましたが、今シーズンは大きく進歩しました。爆発的にトランジションが増えたというわけではなく、この伸びの要因はスケートの上達にあると思います。スケートが滑るから後半でもダランとしないですし、漕がないからスタミナの消費が抑えられてしっかりと体が動く。それに加えて、盛り上がりを最後の40秒にまとめたという戦略勝ちでもあったかもしれません。火の鳥は音楽の盛り上がりから最後まで70秒もありましたし、表現に割けるところが多くなったのは後半のジャンプが5つから4つに減った功罪ですね。衣装は肌色が衣装の50%を超えてはいけないので、ピンクを使って違反を取られないようにしました。お下品な衣装じゃないのに。ルールBOOOOOOOOOOOO。

エキシビションの衣装の意図はよく分かりませんでした。男と女?人間の2面性?ボリシェヴィキとメンシェヴィキ?なんていろいろ考えられるから、分からなくてもいいや。シリアスなプログラムは、ワールドの北米ポップス祭りの中で光っておりましたよ。おもしろメイクのキャッツ、髪染めたフィフスエレメント、男装からブロンド美女に変身・・・エキシビションに甘えがなさ過ぎて素晴らしいです。

年々体つきが変わりますがジャンプの技術をしっかりと保っています。波はありますが、今シーズンはロシア選手権で始めて表彰台に乗りましたし、世界選手権も自力出場&メダルという勝負強さを見せました。世界選手権のSPではロシア3人の中でPCSが1番でしたし、ポゴリラヤの国内での立ち位置がよくなるかもしれません。とはいえ今のロシアで絶対安全ということはありません。実力的にも他の選手への推しに関してもそうです。来シーズンはSPがミーシャ、LPがモロゾフです。ポゴリラヤも荒ぶる?

今シーズンのオフもポゴリラヤのオシャレポートレイトがフォルダに加わったのですが、引退するころにはどれだけ溜まるか楽しみ。ユーロではタイツを靴に被せずに試合に出ていましたけど、こんなに靴出しが似合わないスケーターもなかなか珍しい。タイツ派は少数派なので貫きましょう。

ここで履き方まとめ
靴出し派→宮原、リーザ、アシュリー、ラジオノワ、ゴールド、本郷、デールマン、ミライ、ソツコワ、リプ、ライチョヴァー、カレン、エドモンズ、レオノワ、ヨシ子さん、シャルトラン、真央、新葉
タイツで全て覆う派→ポゴリラヤ、佳菜子、クチヴァルスカ、トゥルシンバエワ、ソヨン、永井、ジジュン
タイツかかとに引っ掛ける派→メドベージェワ
靴の上部分だけ覆う派(ミラ履き)→ロデギエーロ

ミラ履きって久しぶりに使った。

10 Comments

6番 says..."ゆふぉさんへ"
ゆふぉさんへ

ミーシャ忙しそうですね。来シーズンもやってくれると思いたいですが、引退するならちょうどいいシーズンなんですよね・・・。でもこの振付が来シーズンの活動資金稼ぎだと思いましょう。
2016.06.07 01:05 | URL | #q2p5Nno. [edit]
6番 says..."まごっちさんへ"
まごっちさんへ

今シーズンの彼女は素敵すぎましたね。毎シーズン予想を超える伸び率を見せてくれるのが嬉しいです。

人ではない何かっていうの分かります。ちょっと危ない、危うい、触れてはいけない感じの美しさがあるから人間っぽい靴出しが似合わないのかも。これからもタイツ被せでお願いしたいです。
2016.06.07 01:04 | URL | #q2p5Nno. [edit]
ゆふぉ says...""
スケート見るとものすごく大人、キスクラではコーチがなんか怖いし、笑わないポゴリラヤですが、(ワールドは別でしたが)普段のインスタ見ると可愛らしいのでホッとします。ワールドの上位選手の控え室でメドベデワとくっついていちゃついてたのも微笑ましい。来シーズンのミーシャ振り付けプロ楽しみです。

ミーシャはロシア選手の振り付けに忙しそうですね。(アレクサンダーペトロフとかも)振付師になってしまったの??ちゃんと来シーズンエントリーするよね…と少し心配。
2016.05.31 12:39 | URL | #- [edit]
まごっち says..."大好きなポゴリラヤ選手"
2014-15のポゴリラヤ選手記事を拝見して
2015-16もず~っと楽しみに待っておりました
ありがとぅございます♪

大好きなボゴリラヤ選手
かっこよすぎて、ステキすぎて
シーズン終わっても何度も繰り返し観ています
これで(あのときは)17歳なんだもんな~
美人すぎて胸が苦しいです(私は女ですが 笑)
上等という言葉がポゴたんにはピッタリ!
次々と現れるロシア選手の中で
平昌まで埋もれず羽ばたいて戴きたいです

オールタイツ
靴をはいてるのって普通の人っぽいから…
ポゴたんには人ではない何かであって欲しい→ベタボレすぎてすみません;
しかも長くてすみません(汗)
2016.05.29 15:14 | URL | #- [edit]
6番 says..."匿名のYさんへ"
匿名のYさんへ

3Loは難しいですね。男子だとそれなりにできるのかもしれませんけど、女子となると力で持っていけませんものね。そこをどうにかできると強みになるのでしょう。
2016.05.25 16:49 | URL | #q2p5Nno. [edit]
6番 says..."Creaさんへ"
Creaさんへ

そうです!もう3番手ではなくなりました。来シーズンのプログラムにも期待大です。暴走は怖いですけどね。

偽アナスタシアという解釈もおもしろそうですね。精神を病んでいる感じ、2面性とも捉えられますし。想像力を働かせてくれるプログラムありがたや。
2016.05.25 16:47 | URL | #q2p5Nno. [edit]
6番 says..."matuさんへ"
matuさんへ

感覚的に「あーなんかすごくよくなったなー」とは思っていたのですけど、いざ見比べてみると相当違いました。動きが直線的で一本調子だったのが一気に解消されて、ものすごくきれいになっていました。

エキシビションの手抜かなさが素晴らしいので來シーズンも期待ですね。イロモノでもシリアスでも楽しませてくれる貴重な美人です。
2016.05.25 16:32 | URL | #q2p5Nno. [edit]
says..."管理人のみ閲覧できます"
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2016.05.24 22:30 | | # [edit]
Crea says...""
N杯のSPの大転倒があったので今季どうかな、ワールドだしてもらえるのかと不安になりましたが、
無事出場し、結果を残せて本当に良かったです。
もう繰り上げの三番手ではなくなりましたね。

ほんと「大人っぽい」「長身&手足が長い」は、ポゴリラヤのためにあるような言葉ですよね!
まだ18だとは…。
スケートが良くなったというのもあり、ジャンプが決まると更に見映えがしますね。
SPのカッコいい感じが大好きです。
来季はまた新たな魅力が出るのか、暴走になるのか?

ロマノフ王朝の最期を調べてみたら、
「偽アナスタシア(←ロマノフ王の末娘)」として最も有名なのは、ドイツ人女性のアンナ=アンダーソン。
とのことなので、アーニャはアナスタシアを演じていたのでしょうかね?
シュトニケのタンゴは真央さんのイメージも強いです。
2016.05.24 18:57 | URL | #izVa12PI [edit]
matu says...""
こんにちは。6番さんのポゴリラヤ選手レビューを待ってました。
そうなんです、そうなんです、スケートが良くなったんです!
その効果で彼女の持つ魅力と身体能力が十分に発揮できるようになったと思います。
好きな選手が山あり谷ありとはいえぐんぐん伸びて行くのを見るのはうれしいものです。

今シーズンのエキシビションは皇帝の白と革命の赤だと私は解釈してました。
来シーズンのエキシビションも今から楽しみにしています。
2016.05.24 07:59 | URL | #- [edit]

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