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2020
04.25

ベストプログラム

2019-2020シーズンのベストプログラムです。僕の好みによる厳正な選考を勝ち抜きました。

10位 エフゲーニャ・タラソワ&ウラジミール・モロゾフ(ロシア) EX "SOS d'un terrien en détresse"
振付:ステファン・ランビエール

タラモロをベストプログラムに入れたことはありませんでした。自分でもタラモロをベスト10に入れる日が来るなんて思っていなかったです。高い技術力は持っているけれど、表現面での課題は残っていますから。しかしながら、競技の後のエキシビションでこれを観たときに驚かされました。元々このプログラムは、2018-2019シーズンが終わってから、イリヤ・アベルブフのショーに出るために作った演目でした。少し原曲の意味からは離れていますが、恋愛の物語を演じています。男性はいつもデートに遅刻してしまって、それにうんざりしてしまった女性が「あなたはもうチャンスを逃してしまったの」と突き放してしまうという筋書きです。他の選手なら違和感のある曲と物語の組み合わせかもしれないけれど、タラモロは曲のインパクトを借りるぐらいがちょうどいいのです。2人の感情表現がなんとなく適っているし、モロゾフが髪をなびかせる姿や柔らかいスケーティングにより、良い塩梅でダメな男性と、それを突き放す女性を演じられていました。モロゾフの進化を見られたという意味でのランクインです。競技プログラムもランビエールに依頼してもらいたいぐらいです。ちなみにタラモロが交際していた頃は、この物語のダメ男と同じようにモロゾフが遅刻ばかりしていたそうです。HAHAHA

9位 デニス・ヴァシリエフス(ラトビア) SP"Two Men In Love"
振付:サラ・ドラン

最後まで使わなかった方のSPです。タイトルのとおり、ゲイの恋愛を描いた楽曲です。相手に本気にされていないかもしれないし、未来はないかもしれない。そうやって苦悩するけれど、結局気持ちが溢れてしまう。そういった主人公の気持ちの心の機微が伝わってきました。初めての恋人との関係を重ね合わせてみるのもいいし、あるいはかなり年上の男性との恋愛を想像してみるのもいいかもしれません。最初のジャンプの助走に向かうまでに指をグルグルされる振付があるんですけど、そこの歌詞が"And be with me forever?(永遠に一緒にいてくれる?)"なんですよ。勇気を絞り出して発した言葉なんじゃないかなって。プログラムが進むにつれて、スケートが徐々に力強くなります。コンビネーションスピンからステップシークエンスまでの入りも良いですね。"It's getting louder, and louder, and louder, and louder, and louder"の歌詞のところのツイズルやループターンへの乗せ方とか、腕の広げ方や残し方なんかが絶妙でした。「ああーーーフィギュアスケート観てるわーーー」というプログラムに仕上がりました。音楽表現とエレメンツとスケーティングの三位一体。これこそがフィギュアスケートなのだよ。

8位 アレクサンドラ・ボイコワ&ドミトリー・コズロフスキー(ロシア) SP"My Way"
振付:ナタリア・ベステミアノワ、イゴール・ボブリン

フィギュアスケートでは引退のシーズンに使用されがちな曲です。お葬式に流す曲としても有名です。それをシニア2シーズン目の彼らが滑るわけです。原曲の意味を忠実に表現しているというよりは、これから2人が輝かしい花道を歩けるように選ばれたのだと思います。インストゥルメンタルにしたのも正解です。既存の歌詞ではなく、自らが演技を通して言葉を紡いでいました。このプログラムをテストスケートで初めて観たときからお気に入りでした。男性の衣装のパンツがダサいこと以外はすべて肯定できます。これからボイコズ伝説の始まりなのです。

7位 カミラ・ワリエワ(ロシア) SP"Spiegel im Spiegel""Allerdale Hall"
振付:ダニイル・グレイヘンガウス

ピカソ作"玉乗りの少女"の絵画にある少女のポーズで演技が始まります。このプログラムの素晴らしいところは、元となった絵画から発想を飛ばせるという点。無邪気に玉乗りをしている少女の脇には、それを見つめる男性がいるわけです。その眼差しは、少女を慈しみつつも、楽しいだけではいられなくなるこれからの彼女の人生を思い悲嘆に暮れているようにも思います。ワリエワの演技からは、そんな周囲の空気感さえも伝わってきます。昨シーズンと同じプログラムですが、必須要素のスピンとジャンプ以外の振付に変更はありませんでした。スケーティングにもグッと深みが増しましたし、四肢の使い方もレベルアップしています。ワリエワは、玉乗りの少女の絵画を観るために美術館に訪れていました。彼女なりに、振付に込める意味を考えながら演じられるようになったのではないでしょうか。コンビネーションスピンは卓越したポジションの独創性と回転速度です。I字ポジションへの移行がワリエワほどスムーズに、音楽から外すことなくできる選手はいないと思います。このプログラムでのコンビネーションスピンが、現役の全選手と頂点だと言い切れます。今の年齢だから、ワリエワだから巡り合えた作品だと思います。

僕は飽きっぽいので、どれだけお気に入りのプログラムでも1シーズン滑れば満足します。だから基本的にベストプログラムには新プロしか入れません。ベストプログラムに続行プロを入れたのは、パトリック・チャンの2010-2011シーズンLP"オペラ座の怪人"、ジョシュア・ファリスの2014-2015シーズンLP"シンドラーのリスト"の2つだけでした。これらの2つのプログラムは、前シーズンの振付を全とっかえしたので実質別プロなんです。僕はノービス選手には基本的にノータッチですが、さすがにワリエワは知っていたので、演技は観ていました。でも響かなかったんですよねえ。今シーズンは振付が同じだけどガンガン響いた。さらに言うと、ロシアジュニア選手権と世界ジュニア選手権の演技が響きました。2シーズンかけて作品を見事に磨き上げました。拍手喝采です。

6位 クセニア・シニツィナ(ロシア) SP"アルフォンシーナと海"
振付:ナディア・カナエワ

入水して自ら命を絶った詩人アルフォンシーナ・ストルニを歌った楽曲です。テーマの性格上、シニツィナは演技中ニコリともしません。滑らかなスケーティングから、自らの最後を思うストルニの言葉が溢れてきます。ストルニが命を絶った10月は、アルゼンチンだと春の終わり。少しずつ暖かくはなってきているものの、夜の海の水はストルニを凍えさせたことでしょう。3Lz-3Tからは砂浜から歩みを進める様子が見て取れます。体を震わせながら、そして苦悩しながら、ゆっくりと暗い海の底へと向かうのです。救いもない、孤独な物語でした。15歳の少女にこういったテーマのプログラムを滑らせることには賛否があるかもしれませんが、僕はこういった年齢だからこそ感情移入ができるのではないかと思うんです。自分が思春期だった頃を思い出してみてください。考えても意味のないことを一晩中考えてしまったり、理由もなくこの世から消えてしまいたいと思ったことはありませんか?この年代を過ぎると生きることに必死で、死が遠い物になっていきます。だから思春期は死に密接な時期だと思うんです。シニツィナはシニツィナなりに、感情を乗せて演技ができたからこそ、このプログラムが完成したのです。

5位 マディソン・チョック&エヴァン・ベイツ(アメリカ) FD"Egyptian Snake Dance"
振付:マリー=フランス・デュブレイユ、サム・シュイナール

これはヘビですね。とてもヘビです。僕はこのプログラムに関しては物語を深堀したい気分にはならなくて、ただひたすらチョックさんの美しさに耽溺したいんです。まず冒頭のコンビネーションリフトですね。カーブリフト+カーブリフトという組み合わせは、ケースは少ないですが1シーズンに2、3組がやっています。ただし、2つ目を回転系のローテーショナルやステーショナリーにした方が、スピード感でアピールしやすいのです。チョクベイはスピードの出しにくさをカバーするだけのポジションの美しさで魅せてくれました。チョックさんが蹴り上げた足、ベイツさんの太ももに挟んだ脚、ベイツさんの肩に座って組まれた脚、ベイツさんの背中にもたれかかったときの脚線美、リフトを終える際にベイツさんの腰に絡ませる足先まで、すべてのポジションが美しいです。本当のヘビが男性の体に巻き付いているような、そんな感覚に陥ります。チョックさんは人間を超越しました。ダンススピンでは特別変わったポジションを取っているわけではありませんが、アーチの美しいレイバックポジションから、スピンの出でチョックさんがベイツさんの右足に絡みつくんです。ベイツさんはその右足を軸にクルンと1回転してエレメンツを終えます。この少しの工夫だけでGOEがバンバン伸びちゃいます。全体的にゆったりとした曲調なので、終盤のリズミカルなコレオステップできちんとハイライトを強調させて、4分間の中に波を作りました。シャチホコポーズでのフィニッシュはインパクト大です。カップル結成以降、散々微妙なプログラムを滑り続けてきた彼らが、2シーズン連続でハマりプロに当たることになるとはね。マリー帝国に移籍していなければ、今の彼らの成功はないでしょう。

4位 川畑和愛(日本) SP"美しき青きドナウ"
振付:ステファン・ランビエール

王道で華やかなプログラム。醤油ラーメンであり、マグロの握りであり、卵で包んだオムライスなのだ。"こういうのが観たかったんだよ"の極み。膝を使ってゆったりと滑り始め、いつの間にかトップスピードに乗ったかと思うと巨大な3Lz-3Tを着氷します。胸を躍らせつつ、馬車でドナウ川のほとりを走り、シェーンブルン宮殿に到着する様子を描いているように見えました。ステップシークエンスからは絢爛豪華な舞踏会のシーンでしょうね。このステップシークエンスが非常にランビエリスティックな仕上がりです。ブラケットからツイズル、体を屈めて低い姿勢からのヒップ。はい華やかランビポイント1。観客サイドのロングバリアでクラスターをチョクトーで締めくくり、長い脚でアピール。はい華やかランビポイント2。ステップシークエンスの後半部分では、たおやかに腕を動かして上下左右と空間を目いっぱい使って演じていました。小さなジャンプを何度も入れるところが、いかにもなランビエール構成。膝を使って3Loを降りてから、ジャッジの方向を向いて最後のアピールをして2本のスピン。その美しさに舞踏会にやってきた貴族のお坊ちゃんも釘付けになるに違いありません。川畑が持つスケーティングとランビエールの振付が見事な融合を見せました。こういうのもっとください。

3位 ブレイディー・テネル(アメリカ) LP"ニューシネマパラダイス"
振付:ブノワ・リショー

ブノワだからといって奇抜なプログラムばかり振り付けているわけではないのです。坂本のピアノレッスンだってブノワですしね。テネルはパワフルな演技をする選手なので、こういったプログラムはあまり得意ではないと思っていました。ジャンプの力強さは健在ですが、柔らかな音楽表現も適っていましたし、それに合わせて滑りの性格を変化することにも成功していました。特にボーカルが入る中盤からの表現が魅了させられました。古いアルバムを開くと、すっかり忘れてしまっていた昔の恋人との思い出が押し寄せてきた。そんな情景が浮かびます。ステップシークエンスの始まりで立ち止まったときの哀愁を帯びた表情が何とも言えません。ジャッジサイドでイナバウアーでゆったり魅せるパートもいいですね。ジャンプをすべて終えてからのコレオシークエンスで、この演技のトップスピードが出ます。3分以上滑ってもなおトップスピードを出せることに驚かされます。このコレオシークエンスのイナバウアーで、ステップシークエンスと呼応させる工夫も見事です。イナバウアー使うのが上手でした。コンビネーションスピン2つでのフィニッシュは反則です。現役の女子選手で3本の指に入る上手さなのだから盛り上がるに決まっています。シーズン当初は怪我の影響で全体的にスピードが出ていなかったけれど、年明けからはきっちり調子を合わせてきました。多くの観客が感情移入しやすい音楽で、彼女の能力を最大限に生かしつつ、新たな顔も見せてくれました。これぞ女子シングルの演技!衣装はラベンダー色を着続けてほしかったぞ!

2位 リュボーフィ・イリュシェチキナ&シャルリ・ビロドー(カナダ) LP"Je voudrais voir la mer"
振付:マリー=フランス・デュブレイユ、ギヨーム・シゼロン

ベストプログラムのトップ10を選んだその日にビロドーが引退を発表しました。だから選出後しばらくは僕の心が折れていました。フランス語の歌詞なので、正確な意味は理解できないのですが、都会の生活に疲れ果ててしまった男が「海が見たい」と言って想像を膨らませていくストーリーなのだと思います。ミラーの動きからしっとりと始まり、トランジションはイリュシェチキナの柔軟性を生かした振付で彩られています。スロージャンプは海の広さや偉大さを表現しているように見えます。さらに、最後のグループ4リフトでは、朝日が水平線から雲一つない空へ向けて昇っている様子を表現しているのでしょう。倒立から足を前後に開くアクロバティックなポジションで、ストーリーを感動的に盛り立てます。都会の生活に疲れ果ててしまった男は、車を飛ばして海に辿り着き、日の出を見つめることによって心が浄化されたに違いありません。イリュシェチキナもビロドーもペア選手としてそれぞれ課題があったし、今シーズンはミスが多かったけれど、彼らは次のオリンピックシーズンには世界のトップペアとして戦えるはずだと確信していました。それだけにわずか1シーズンでの解散は残念に思います。僕にとってイリュシェチキナは絶妙にツボを突いてくれる存在でして、現役をお休みした2018-2019シーズンを除いて、4シーズン連続でベストプログラムに名前を挙げました。だから来シーズンもイリュシェチキナの滑りが見たい。でもいきなり解散を告げられた28歳のベテランスケーターにポジティブな言葉はなかなかかけられない。この名作は苦い思い出と共に僕の心に刻まれていくのです。

1位 ガブリエラ・パパダキス&ギヨーム・シゼロン(フランス) RD"Fame"
振付:ロマン・アグノエル、サム・シュイナール

あまりにもベタすぎるチョイス。でも僕の歴代の1位見てもらえば分かりますけど、1位は超ベタなんです。だって多くの人が好きになるプログラムは良いに決まっていますもの。パパシゼは2014-2015シーズン以来2度目のベストプログラムに輝きました。2度目の1位を取る選手は初めてです。なんの栄誉もありませんがおめでとうございます。僕のツボを突いてくれてありがとうございます。アイスダンスのトップカップルというものは、他のカテゴリーよりも芸の幅の広さが要求されます。リズムダンスの課題が毎年指定されますし、高難度ジャンプの成功がプログラムの印象を押し上げてくれるわけでもありません。そして、競技寿命が長いからこそ、同じようなプログラムを滑り続けると単純に飽きられてしまいます。今シーズンはオリンピックの中間年ですし、チャレンジするには最適でした。

パパダキスが"Fame"から引用して、インスタグラムに投稿していた言葉があります。
"成功には成功ではないものがある。成功とは名声ではない。お金や権力でもない。成功とは、朝起きるとやるべきことに興奮して、文字通りドアから飛び出してしまうことである。愛する人たちと一緒に仕事をすることである。成功とは、世界とつながり、人々に感動を与えることである。夢を持っているだけで、共通点が何もない人たちを結びつける方法を見つけることである。最高の仕事をしたと思って眠りにつくことである。成功とは喜びと自由と友情。そして成功とは愛である。"

この言葉って、まさにパパシゼの今シーズンのRDそのものだと思うんです。自分たちがコーチや振付師とコツコツ練習してきたものを、世界中のお客さんの前で披露する。その中にはフィギュアスケートにまったく興味がない人がいるかもしれないけれど、そのような人たちをも魅了する。新たなファンを獲得してエールを送ってもらう。自分たちはさらに良いものを提供しようと粉骨砕身する。さらにファンを虜にしていく。この繰り返しです。今シーズンのパパシゼは、記録の上ではシニカツに敗れてユーロの連覇記録という名声は逃してしまったけれど、観客の心を動かして、それらとコネクトすることができました。Fameの言葉と照らし合わせると、今シーズンのパパシゼは大成功だったのです。とは言ってもパパダキスがタイツ衣装で滑ることにより、スカートで隠されていたスケーティングの粗が目立つことがありました。完璧に見えるパパシゼでも改善すべき場所はあるのです。今シーズンの課題を糧に、さらなる進化を見せてくれることでしょう。ベストプログラムなのに好きなポイントを一言も語っていなかったですね。「明るい気持ちになるから大好き!」それに尽きます。

トップ6は初見でベストプログラム入りが決まりました。初見で入れようと思わなかったのはワリエワとタラモロだけです。徐々に印象が良くなりました。2020-2021シーズンは続行プログラムが多くなると予想されます。さーて来年のベストプログラムは?

過去のベストプログラム
2018-2019シーズン ライラ・フィアー&ルイス・ギブソン FD"ディスコメドレー"
2017-2018シーズン 樋口新葉 LP"007"
2016-2017シーズン アダム・リッポン LP"O"
2015-2016シーズン 宮原知子 LP"ため息"
2014-2015シーズン ガブリエラ・パパダキス&ギヨーム・シゼロン FD"ピアノ協奏曲第23番"
2013-2014シーズン 町田樹 EX"白夜行"
2012-2013シーズン ネッリ・ジガンシナ&アレキサンダー・ガジ EX"Dance My Esmeralda"
2011-2012シーズン ジェレミー・アボット SP"素敵なあなた"
2010-2011シーズン シニード・カー&ジョン・カー FD"交響曲第3部あがない"
2009-2010シーズン チン・パン&ジャン・トン LP"見果てぬ夢"

過去のベストプログラムへのリンク
2016-2019シーズン(サボってたから3シーズン分)
2015-2016シーズン
2014-2015シーズン
2013-2014シーズン
2012-2013シーズン
2011-2012シーズン
2010-2011シーズン
2009-2010シーズン
若い頃のノリのヤバさは無視してプリーズ。
2020
04.17

クイン・カーペンター 引退

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⁣Upon the close of the 2019-20 season, Quinn has made the decision to retire from competitive ice dance. Our partnership has lasted for a decade and a half, and we would like to say thank you to everyone who has stood by us throughout our journey together. To U.S. Figure Skating, our coaches, our training mates at the Wheaton Ice Skating Academy, and our family and friends, thank you for allowing us to grow up with you. Your endless support and encouragement has meant more than words can say, and we are forever grateful to be blessed with such love for the last 15 years. ⠀ ⠀ Lorraine plans to continue skating, and we sincerely hope that everyone who helped the two of us will continue to support Lorraine as she further pursues her competitive career.

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クイン・カーペンターの引退が発表されました。

2019-2020シーズンの終わり、クインはアイスダンス競技から引退することを決めました。私たちのパートナーシップは15年間続きました。共に歩んできたすべてのみなさんに感謝します。アメリカフィギュアスケート協会、私たちのコーチ、ウィートンアイススケーティングアカデミーのトレーニング仲間たち、私たちの家族や友人、私たちを成長させてくれてありがとう。みなさんの変わらぬご支援、ご鞭撻は言葉では表せられないほどで、この15年間皆さんの温かい支援を受けられたことに、心から感謝します。

ロレインはスケートを続ける予定で、私たちを支援してくださった皆さんが、ロレインを応援し続け、彼女がさらにアイスダンス競技を追求できることを心から願っています。
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まさか引退するとは思ってもみませんでした。少しずつカップルとしてのバランスが取りにくくなっていたので、あるとしても解散ぐらいかなあと。男性の引退の理由は分かりません。やりたいことができたのかもしれないし、怪我があって引退を余技なくされたのかもしれません。

1人のパートナーと子供の頃から15年間組み続けるなんて、そうそうできることはないです。子供の頃から組み続けて息を合わせることが、アイスダンスをする上でいかに有利なことなのかが、彼らとパーソンズから教えてもらえました。ジュニア時代は光る存在だったのに、シニアでそのまま活躍とはいかないのがアイスダンスの難しいところですね。パパシゼやワンリウみたいなカップルは奇跡だな。

女性は競技を続けるそうです。最近パートナーシップ解消して、カーペンター(176cm)より大きい男性ダンサーといえば……エゴール・バジン(182cm)かな。あとはベラルーシのユーリ・フリツキー(182cm)とか。相性の良いパートナーに巡り合えますように。
2020
04.17

世界選手権の延期開催を断念

https://www.isu.org/isu-news/news/145-news/13139-isu-statement-definite-cancellation-of-pending-2020-isu-championships?templateParam=15

2020年4月16日に開催されたISU理事会のオンライン会議では、COVID-19の否定的な進展、その結果として起こる世界的な人類の悲劇、公的機関によって講じられた措置、物流面での課題に留意し、保留となっている2020年ISUチャンピオンシップスの延期は不可能であるとの結論に達した。したがって、ISU理事会は以下のISUチャンピオンシップスは必ず中止しなければならないと決定した。

ISU世界ショートトラックスピードスケート選手権 ソウル
ISU世界フィギュアスケート選手権 モントリオール
ISU世界シンクロナイズドスケート選手権 レイクプラシッド

2020-2021シーズンの計画、またCOVID-19による危機の不確実な進展と国際的なスポーツイベントの開催に与える影響を考慮し、ISU理事会は、COVID-19の進展とISUイベントカレンダーへの影響への様々なシナリオが議論される4月28日に別のオンライン会議をおこないます。目的は、不確実性を厳密に最小限に抑えるために、さまざまなシナリオに適したオプションを検討し、すべての利害関係者に伝達することである。この評価はフィギュアスケートにおけるISUスケーティングアワードも考慮する。

ということで、世界フィギュアスケート選手権の中止が正式決定しました。10月以降の延期開催の可能性もないということです。今年だけが枠を増やせるチャンスだった、今年だけが優勝できるチャンスだった、今年だけが出場できるチャンスだった。そんなスケーターにとっては気の毒なことではありますが、現状練習もできないので、10月以降に開催しても空前の転倒連発大会になってしまうのがオチです。COVID-19の先行きも見えないですし、今回ばかりは仕方がありません。

4月28日に来シーズンの大会についての会議があります。このときに大会のスケジュールについて話し合われます。世界選手権の中止が決まったことで、グランプリシリーズのシード枠や2枠保証もなくなってしまったので、その扱いに関しても話し合いがあるでしょうか。例えばGPF・四大陸・ユーロのメダリストにシード枠とかね。さらに、ジュニアグランプリシリーズやグランプリシリーズさえも開催できなくなったときのシナリオも話し合われるでしょう。さらにその先の開催の可否についてもね。

今プログラムが作れないとジュニア選手はジュニアグランプリシリーズにめちゃくちゃ影響出ますね。開催を後ろにずらすのはおそらく無理でしょうし、1大会中止になった場合のファイナルの進出条件とか、そういったところまで話し合われるんだろうなあ。大変だ。

ISUスケーティングアワードは中止でいいぞ!間違ってもグランプリファイナルでやろうとするなよ!
2020
04.16

シャルリ・ビロドー 引退

https://ici.radio-canada.ca/sports/podium/847/charlie-bilodeau-retraite-patinage-artistique-olympiques

シャルリ・ビロドーが引退を発表しました。

ジュリアン・セガンとのオリンピック出場の後、モチベーションが欠落しペアを解消した。1年間競技から離れている間に、自分のマンションをリノベートしたり、フルタイムの勉強を始めたけれど、オリンピックのメダルが何としても欲しくなった。そんなときに、リュボーフィ・イリュシェチキナとのペアを結成する機会が舞い込んできた。3年あればオリンピックの表彰台に立てるだけの関係を築けると思い、新しい環境に身を投じた。

モントリオール開催の世界選手権は、自分たちの名を上げるには最適な場所だった。世界選手権代表の座は2つだったが、それを勝ち取る自信があったし、本気で練習もした。でも大会が近づくにつれて、それが難しくなっていった。心理学者にも「怪我をしてしまえば、ここから抜け出せると思う日もある」と言ったこともある。

カナダ選手権での失敗の後、世界選手権の代表決定は四大陸選手権後に持ち越されることになった。歓迎すべきことだったが、もはや自分は同じ人間ではなくなって、エネルギーを切らしていた。モチベーションが奪われていた。それはひどいもので、四大陸選手権が自分の最後の試合になる、最悪の場合引退かもしれないと自分に語りかけていた。

カナダ選手権から戻り、心理学者に話をして自分の不快感の裏側にあるものを分析すると、とても気持ちが安らいだ。四大陸選手権の演技はひどいものだったが、驚きはしなかったし、そこに自分の心はなかった。フィギュアスケートで成功するには、すべてを捧げなければならないのだ。もうこんなことはやっていられない。

僕はリュボーフィやリチャード・ゴーチエだけでなく、ジュリアンにも後ろめたい気持ちがある。彼女は私のキャリアを共にして、最も美しい瞬間を経験した人で、最大の困難を克服した人です。僕たちの解散は彼女にとって大きな打撃だったでしょうが、解散の原因が彼女にはないことを理解してほしい。彼女は自分が僕の基準に達していないからだと感じたかもしれないが、それは違う。僕は自分のモチベーションの欠如がどこからきているかをしるために、環境を変えて何かを探さなければならなかった。

リュボーフィとリチャードには、COVID-19のこともありテレビ会議で発表する。リュボーフィは未来の計画を立てるために電話したがっていたが、その会話はできない。初のオリンピック出場を夢見ていたリュボーフィにとっては大きな失望になる。

フィギュアスケートの世界は僕に多くのことを与えてくれた。コーチ、振付師、心理学者、スケートカナダ、これまで素晴らしい瞬間を共有してきたすべてのスケーターに感謝したい。

自分が生涯をかけて達成した夢は私の後ろにあって、この業績が自分が何者であるかに対して、何も影響していないことを実感しました。正直なところ、自分のキャリアで成し遂げたことにより成長した自分自身を愛しています。しかしながら、重要なのはゴールだけだと信じていた自分を責めています。もうそんな考え方は止めます。最も重要なことは、僕がゴールとしていたものは、実は僕の人生の始まりに過ぎなかったということです。スケートは僕のアイデンティティの一部だけど、僕自身ではないのです。未来がどうなるのか分からないことはワクワクする。すべてのドアを開けってぱなしにしておきます。COVID-19の収束後、その裏側に何があるのか見に行くのが待ちきれません。

ざっくりこんな雰囲気のことを言っていました。内容知りたければ原文読んでおくれ。

オリンピック出場という目標を達成して自分を見失ってしまい、一旦は新しいパートナーと次の目標に向かって走り出したものの、実際に自分がそこに向かうだけの気持ちがなく、自分に嘘をついてスケートを続けていたことに気が付いてしまった形でしょうか。引退の決定は不可逆的とのことなので、アマチュアスケーターとして戻ってくることはないでしょう。インタビューからはビロドーの苦悩が伝わってきました。先日引退したクリス・クニエリムと似たような状況に思えます。ビロドーがストレスから解放された日々を過ごせることを願うばかりです。

イリュシェチキナのことが本当に心配です。オリンピック代表を夢見てカナダにやってきたのに、その夢がまた遠のいてしまうなんて。気楽にがんばれなんて言えない。ふざけられない。
2020
04.09

ISUコミュニケーション2312

https://www.isu.org/inside-isu/isu-communications/communications/24257-2312-decisions-of-the-council-april-6-2020/file

COVID-19(新型コロナウィルス)の影響により、国際スケート連盟での決定事項がいろいろと変更になりました。

偶数年に開催されるISU総会は、2021年5月31日~6月4日にとりあえず変更されることになりました。正式な招待は後日おこなわれます。

2020年世界ショートトラックスピードスケート選手権、2020年世界フィギュアスケート選手権、2020年世界シンクロナイズドスケーティング選手権の開催について、ISUは2020年10月から12月の間に変更することを検討している。しかしながらその可能性はCOVID-19の大流行の進展に大きく依存する。開催時期変更を検討するには、今後2週間のうちに、流行が世界的に明確な改善が見られ、真剣かつ具体的な計画が再び可能となる見通しが立つ必要がある。

ISU評議会は2020年4月16日のオンライン会議で再び、開催するかどうかの選択肢について議論し、すべての利害関係者に結論を伝える予定である。

COVID-19の流行により、多くのスケーターは次のシーズンに向けた適切な準備ができず、新しいプログラムを作ることが難しくなると思われる。このことを考慮し、3つの技術委員会(シングル&ペア、アイスダンス、シンクロ)が提案し、2019-2020シーズンの基本的な要素を2020-2021シーズンに維持することを決めた。

*アイスダンスにおけるノービスカテゴリーのパターンダンスと、ジュニアクラスとシニアクラスのリズムダンスの課題は2019-2020から変更されない。

*シンクロナイズドスケーティングにおけるショートプログラムとフリープログラムの要素は変更されない。

*シングルおよびペアの必須要素は、元々予定されていた2020-2021シーズンのものをおこなう。
**男女ジュニアのSPのソロジャンプの課題はルッツ、フライングスピンはキャメル、単一姿勢のスピンは男子はシットで女子はレイバックかシット
**シニアペアのSPのリフトの課題はグループ3、デススパイラルはフォアインサイド
**ペアジュニアのSPのリフトの課題はグループ3、スロージャンプはループ、ソロジャンプは2Lzか2A、ソロスピン指定、デススパイラルはフォワインサイド

基礎点についてはそれぞれの技術委員会により提案され、ISUコミュニケーションで発表される。

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フィギュアスケートに関係があるのはこんな感じでした。COVID-19の世界的な流行が今後2週間で収束に向かうとは到底思えないので、開催延期となっている3つの世界選手権は中止になると考えています。

アイスダンスのリズムダンスの課題を据え置くはナイスな判断ですね。リンクが次々と閉鎖されているので、プログラムを作ることなんてできませんもの。アイスショーがたくさん中止になっていますし、トップ選手でさえ新プロ振付の費用を捻出できないことが考えられます。来シーズンは持ち越しプロで全然オッケー。

ウィルス消えろ!ていっ!
2020
04.02

新カップル結成 平山姫里有&立野在

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平山 姫里有 /立野 在から皆様へ #icedance #アイスダンス

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立野在が、昨日現役復帰の意思を表明しました。そして本日、平山姫里有とのカップル結成も発表しました。立野在バートは、2018年10月に怪我による引退を発表しました。そのときのインスタライブの文字起こしはこっち→ http://sthmytkh.blog108.fc2.com/blog-entry-3390.html アイスダンスに対する熱い思いを持っている男だったので、引退してしまうのが惜しい選手でした。

それがですよ!1年半の時を経て競技復帰!肩は大丈夫なのか!!!決めたからには応援しますよ!祭りじゃ祭りじゃワッショイワッショイ!
2020
04.02

新ペア結成 シメカ・クニエリム&フレイジャー

https://usfigureskatingfanzone.com/news/2020/3/30/figure-skating-alexa-knierim-and-brandon-frazier-announce-partnership.aspx

アレクサ・シメカ・クニエリムブランドン・フレイジャーの新ペア結成が発表されました。これは驚かないですねえ。世界で5000人ぐらいは「結成すんだろ」と思っていたでしょ?

2人のトライアウトは、COVID-19の大流行で、旅行が制限される前におこなわれました。ペア結成が決まってからは一緒に練習できなくなってしまったので、プログラムや音楽のアイディア・取り組みたい事柄を話し合っています。シメカはオフアイスでのジャンプ練習の動画を送ったり、トライしてみたいリフトを夫と一緒に練習中です。

それぞれのペア解散には驚きましたが、実力者同士がペアを組むことになりワクワクが止まりません。フレイジャーの方は、シメカとのトライアウトを元パートナーのデニーにも知らせ、了承を得たそうです。カップル競技にありがちな、抜け駆けトライアウトからの一方的解散通知ではなかったようで安心しました。シメカは夫のサポートもありますし、フレイジャーとクニエリムは旧知の仲なので、チームにもすぐ溶け込めそうです。グランプリシリーズに参戦する意思がある様なので、それを楽しみにしています。

練習をすることになるカリフォルニアも、フレイジャーのいるフロリダも人口が多く、必然的にCOVID-19の感染者も多くなっています。事態が1日も早く収束して、練習が始められるようになるといいです。オレグ・ワシリエフがCOVID-19に感染してしまいましたし、スケート界でも他人事ではなくなりました。世界選手権をあのまま開催していたら……と思うとゾッとします。
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