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2016
07.14

GPF進出者予想アンケートの結果を見てみよう

7月4日のエントリーで、グランプリファイナルの進出者を予想するアンケートをお願いしていました。10人とは言いませんが、200人ぐらいはいくかな?と予想を立てていたので、それを大きく超える数の方が協力してくださってありがたく思います。回答してくださった方、拡散してくださった方。誠にありがとうございます。

せっかくなので、放置したままではなく結果から読み取ってみましょう。

男子 回答件数:3374件
http://blog.with2.net/vote/v/?m=va&id=165652
1.羽生結弦(日本) 3303件
2.ボーヤン・ジン(中国) 2973件
3.ハビエル・フェルナンデス(スペイン) 2964件
4.宇野昌磨(日本) 2777件
5.パトリック・チャン(カナダ) 2763件
6.ミハイル・コリヤダ(ロシア) 833件
7.ジェイソン・ブラウン(アメリカ) 811件
8.ネイサン・チェン(アメリカ) 689件
9.無良崇人(日本) 375件
10.デニス・テン(カザフスタン) 216件
11.ダニエル・サモヒン(イスラエル) 157件
12.アダム・リッポン(アメリカ) 134件
13.マキシム・コフトゥン(ロシア) 123件
14.ハン・ヤン(中国) 111件
15.村上大介(日本) 100件
16.マックス・アーロン(アメリカ) 65件
その他 65件

昨シーズンのグランプリファイナル上位5名に票が集まりました。2500人ぐらいはまずこの5人に入れていそうです。羽生の熱烈なファンが多く、コメント欄での応援も熱かったです。なんですくんやPさんがこの票数に落ち着いているのは、出遅れがあるとの予想があります。なんですくんはファイナル確実と思われたシーズン、NHK杯でズコーっといってしまったことありましたしね。昌磨のアンチが生まれていたのは興味深いです。アンチができるほどのトップ選手になったのかと思うと感慨深いです。

5名まではすんなり決まった方は最後の1人で悩んだ方が多かったです。票はコリヤダ、ブラウン、ネイサンの3人に分散しました。テンくんへの票は「今シーズンこそ出てくれ・・・お願いだから・・・」という意見が多かったです。その他の予想で多かったのが草太。あとはピトキーエフも複数ありました。ビチェンコさん、ミハルという意見もありました。ヴァシリエフスもありましたが現状派遣は1枠ですね。

ノーシード昌磨がどこに行くかで進出争いが荒れるはずだったんですけど、男子は6大会のバランスが非常によくて、結局上位勢が順当にいきそうだなという面白味のない予想になりました。自分で順位予想しても順当すぎて何も言えなかったです。予想をひっくり返すぐらいの大活躍をしてくれる選手が出てきてくれることを期待。

男子の回答者の年齢構成を見てみると、40代、50代の順に多かったです。40代はいずれのカテゴリーでも1番多く、フィギュアスケートを支えている層だというのが分かるのですが、50代が2番目にくるのは男子だけでした。そして、カップル競技では2%に留まる60歳以上が7.48%でした。購買力のある女性ファンに男子選手人気があるからこそ、今のフィギュアスケートが支えられているのだと数字から分かる結果になりました。回答数がペアの5倍というリアルすぎる結果です。

女子 回答件数:1924件
http://blog.with2.net/vote/v/?m=va&id=165654
1.宮原知子(日本) 1840件
2.エフゲーニャ・メドベージェワ(ロシア) 1832件
3.グレイシー・ゴールド(アメリカ) 1325件
4.アシュリー・ワグナー(アメリカ) 1236件
5.エレーナ・ラジオノワ(ロシア) 1198件
6.浅田真央(日本) 1132件
7.アンナ・ポゴリラヤ(ロシア) 1018件
8.エリザヴェータ・トゥクタミシェワ(ロシア) 492件
9.本郷理華(日本) 303件
10.ユリア・リプニツカヤ(ロシア) 240件
11.ポリーナ・エドモンズ(アメリカ) 142件
その他 208件

ほとんどの方が予想したのが宮原とメドベージェワ。抜群の安定感のある2人です。そこから少し離れてゴールドとアシュリー、ラジオノワがあります。アメリカ勢2人はスケートアメリカで重なってしまったことが、票が分散する要因になってしまったでしょうか。個人的に意外だったのがポゴリラヤが7位だったこと。組み合わせ的には1番進出しやすいと思っていたので。

圧倒的な人気がある真央には「願望・期待・応援の気持ちを込めて」入れる方と、応援はしているけど組み合わせから見てシビアに予想から外した方がいました。リーザとリプの復活を願うファンも多くいました。

その他の予想で1番多かったのは新葉でした。期待も大きいです。それに次ぐのはソツコワ。佳菜子、ソヨン、カレン、ミライ、三原、ジジュン、シャルトラン、デールマン、トゥルシンバエワという風に少数意見もありました。女子は体系変化のこともありますし、予想は崩れやすいです。昨シーズンのように妥当すぎる6人がファイナルに進むことなんてまずないです。

ペア 回答件数:652件
http://blog.with2.net/vote/v/?m=va&id=165657
1.デュハメル&ラドフォード(カナダ) 643件
2.スイ&ハン(中国) 582件
3.ストルボワ&クリモフ(ロシア) 536件
4.サフチェンコ&マッソー(ドイツ) 501件
5.川口&スミルノフ(ロシア) 418件
6.シメカ&クニエリム(アメリカ) 322件
7.タラソワ&モロゾフ(ロシア) 295件
8.セガン&ビロドー(カナダ) 117件
その他 93件

ほぼ全員の方が予想したのがデュハラド。スイハンはスイちゃんの怪我の具合で予想から外す方もいました。グランプリシリーズスキップするかもしれませんしね。ペアはトップ選手の誰かしらが怪我で抜けることが当たり前になっていて、全員揃うのはオリンピックぐらいになっています。スイハンがワールドに間に合わず、オリンピック選考で悲劇が起こる可能性まで見えてしまいます。

予想を惑わすのが中国の組み替えペアたちです。ユージャンとペンジンがどこに入るかが全く分かりません。投げ技系統はいい感じですけど、その他がどれだけ仕上がるかですね。お互いの前のペアの衣装を着させて滑らせるという、常識を疑うようなことをさせられていた2組ですが、彼らが精神的に健康でいるのか心配になってきました。

その他予想で中国の組み替えペアに並ぶ予想だったのがイリモーでした。昨シーズンの進歩を見れば予想に上がるのも納得できます。このままカナダ1番手2番手が定着してもおもしろくないから荒らせ荒らせー。他にはヴァネシプ、モーマリが上がっていました。

アイスダンス 回答件数:794件
http://blog.with2.net/vote/v/?m=va&id=165658
1.パパダキス&シゼロン(フランス) 763件
2.シブタニ&シブタニ(アメリカ) 756件
3.ウィーバー&ポジェ(カナダ) 653件
4.ヴァーチュ&モイア(カナダ) 643件
5.チョック&ベイツ(アメリカ) 594件
6.カッペリーニ&ラノッテ(イタリア) 568件
7.ボブロワ&ソロビエフ(ロシア) 268件
8.イリニフ&ジガンシン(ロシア) 95件
9.ギルス&ポワリエ(カナダ) 60件
10.シニツィナ&カツァラポフ(ロシア) 58件
11.ハベル&ダナヒュー(アメリカ) 34件
12.クームス&バックランド(イギリス) 20件
その他 11件

パパシゼとシブタニズはほぼ全員が予想しました。組み合わせから見てもこの2組は確実でしょう。1番手は外れてしまったようですが、ファイナルに行きやすいようにスケカナには入れられなかったとも取れるウィバポジェの予想が3位。ウィバポジェは日本での人気が高いので、がんばって欲しいというエールも大きいです。

不透明なテサモエの仕上がり具合、組み合わせ最悪のカペラノ、ロシア勢1組はファイナルへ・・・という思いで予想は割れ気味にはなったものの結局上位6組が圧倒的な得票数でした。

パイポーにも出て欲しい、ペニコラに出て欲しい、シニカツやハベドノが伸びるんじゃないかといろいろな予想が立てられました。そして多かった意見が「枠が足らない」というものです。これほど力が拮抗していて勝負が読めないダンスは久しぶりだから、ダンスファンも喜んでおるのです。ピョンチャンが終われば大量引退の火蓋が切って落とされるでしょうから、今シーズンだけ純粋に楽しみましょう。

その他の予想にはホワベイ、ステブキ、かなクリがありました。

男女シングルとカップル競技の回答者データを見ると、女性の回答者は1/5になっているのに大して、男性の回答者は1/3にしか減っていませんでした。また、カップル競技の中でもアイスダンス>ペアというファン数の図式があるのですが、女性の回答者が減る一方で、男性の回答者はほぼ減っていませんでした。選手個人の熱心なファンになるのは女性が多いけれど、男性ファンは競技全体を熱中して見る傾向にあると考えていいと思います。どうですか男性ファン諸君。当たっていますか?

年齢別に比較すると男女シングルの回答者の比率は40代以上が6割。カップル競技になると40代以上の比率が5割になります。10代は小中学生が回答をするとは思えないので、高校生以上であることを考えて低くなるのは当然ですが、思った以上に20代の比率が高いことに驚きました。カップル競技では20%が20代。おそらく10代のうちにスケートに興味を持ち、数年後カップル競技を見始める方が多いのでしょう。マジかよ若者。みんなどこに隠れてんの?

http://repo.lib.hosei.ac.jp/bitstream/10114/8914/1/5inoue-other.pdf
2013年NHK杯でとられたアンケートを元に論文が発表されております。ここではNHK杯に訪れた観客のうち20代が11.7%と出ていますが、男女シングル以外のアンケートでは20代の比率は20%と出ているので、経済基盤が固まっておらず、休みも取りにくい。既婚者でも小さな子供がいるという状況の20代は観戦には訪れず、在宅が多いということが分かります。チケット代、交通費、宿泊費が目玉飛び出るほどかかりますからね。30代も現地の比率が低い一方、40代は在宅・現地が同程度。50代は現地の比率が上がります。観戦に使えるだけの財力、時間が生まれた結果です。今回答えてもらったアンケートが信頼のおける標本数だったかは分からないですが、スケートファンの現状を知るいいデータになりました。学生チケット本気で作ってやって欲しい。100枚でいいから。将来への投資やで。

あなたが観るカテゴリーは? 回答件数:1060件
http://blog.with2.net/vote/v/?m=va&id=165659
男子シングル 997件
女子シングル 829件
ペア 470件
アイスダンス 645件
シンクロナイズドスケーティング 45件

やはり男子が1番人気。フィギュアスケート=女子という世間とは差があります。カップル競技を見ていない理由としては地上波やBSで放送がないこと、地方だからフジテレビの関東ローカル放送が見られないこと、時間が取れないこと、ルールが難しいことが挙げられていました。放送してくれるなら観るという声がかなりありましたので、ぜひ検討していただきたい。シンクロはテレビの放送すらないことがネックになっています。連盟もメディアの報道が盛んなのにかまけている感があります。ロシア、カナダ、アメリカの連盟のサイトぐらい気合いを入れて欲しい。公式サイトが業務的すぎるんですよー。

フジテレビの世界選手権のカップル競技放送は関東ローカル。これが不満の1つの種になっているわけですが、人口の1/3をカバーしており、回答者データからも分かる通りスケートファンの半分は関東の方なので、地方民の声は届きにくいです。フジテレビの問題ではなく、独自番組やクロス局の放送をしたい地方局の問題なんですけどね。せめてBSで早いうちにやってくれればなあ。

フィギュアスケートを見始めたのは? 回答件数:1183件
http://blog.with2.net/vote/v/?m=va&id=165660
2014-2015シーズン以降 43件
2013-2014シーズン(ソチオリンピック) 191件
2010-2013シーズン 71件
2009-2010シーズン(バンクーバーオリンピック) 75件
2006-2009シーズン 71件
2005-2006シーズン(トリノオリンピック) 180件
2002-2005シーズン 66件
2001-2002シーズン(ソルトレイクシティオリンピック) 34件
1998-2001シーズン 7件
1997-1998シーズン(長野オリンピック) 87件
1990年代 85件
1980年代 172件
1970年代 88件
それ以前 13件

ここからフィギュアスケート界における波が分かります。
1.伊藤みどりの活躍によりフィギュアスケートが日本に根付いた
2.荒川静香、浅田真央、髙橋大輔らによるトリノオリンピック前後のフィギュアスケート大ブーム
3.2012年~2014年にかけて、羽生結弦を中心とした日本男子戦国時代

古くはジャネット・リンからという方もいましたし、長野オリンピックを見てという意見もありました。でも大きな3つの波はこれでした。このデータを見て思ったことは、スケートファンってスケート観るの止めないねってことでした。ご贔屓の選手が引退したらその時点でストップというわけではなく、昔からずっとファンという方がたくさんでした。一度ハマるとなかなか抜けられないんですね。

1つのブームが文化として定着するには、それが15年~20年は継続しないといけないというのを見たことがあります。こうして見ると、みどりさんから始まったスケートブームがソルトレイクシティ前後で一旦途切れてしまったんですね。それでトリノ前から再びスケートブームが始まり、なんとかここまで続いていると。あと最低4年、できれば10年続かないと、ブームで終わってしまいます。同じ選手で2回の波を作ることは難しいので、ピョンチャンの後に新しい選手が活躍することが条件ですね。果たして日本のスケートブームは文化へと成熟し、サッカーのように定着するのか?

アンケートの回答ありがとうございました。コメントを読んでいると「ブログ見てますよ」という暖かいメッセージがいくつもあって励みになりました。また「ブログを見てから、○○を観るようになりました」というコメントもあり、とても嬉しくなりました。これからも適当に運営していくので、適当に見ていってください。おもしろそうなアンケートを思いついたときにはまた協力お願いします。
Comment:9
2016
07.13

2015-2016シーズン 宮原知子

宮原知子

USクラシック 優勝
スケートアメリカ 3位
NHK杯 優勝
グランプリファイナル 2位
全日本選手権 優勝
四大陸選手権 優勝
世界選手権 5位

SP:ファイアーダンス
LP:ため息
EX:Pennies from Heaven
EX:翼をください

ミス一覧
USクラシック・・・SP3Fアテンション、LP3Lz転倒アンダーローテーション
ジャパンオープン・・・オールレベル4ノーミス
スケートアメリカ・・・SP3Fアテンションアンダーローテーション、LP3Fアテンションアンダーローテーション・3Lz転倒アンダーローテーション
NHK杯・・・SP3Fアテンション、LP2Aアンダーローテーション
グランプリファイナル・・・SP3Feマーク
全日本選手権・・・SP3Fアテンション、LP2Loダウングレード
四大陸選手権・・・オールレベル4ノーミス
世界選手権・・・SP3Fアンダーローテーション
チームチャレンジカップ・・・オールレベル4ノーミス

つおい。これから分かるようにフリップのエッジをクリーンにできるかが課題ですね。フリップはエッジに気が行き過ぎるのか、回転も危ないときが多いようです。でも、2015-2016シーズンはセカンドトリプルの回転不足が1つも獲られなかったというのは成長の証です。昨シーズンは3度セカンドトリプルの回転不足がありました。この大技で失敗しないところがミスパーフェクトたる所以です。全大会で、きちんとコンボ消費しきったのも素晴らしい。

SPのファイアーダンスは新境地。これで彼女に落ちたという方も多いのではないでしょうか。初戦のUSクラシックとスケートアメリカとの間、1ヶ月程あったんですけど、この間に振付に手を加えました。まず3Lz-3Tに向かう助走のところで腕の開き方を変えて、ゆっくりと左右に開くようにしました。パッと開くよりも音楽の重みが表現できるようになりました。フライングキャメルの後に立ち止まってからピョコピョコと跳ねる振付。ここにも手が加わりました。いきなりピョコピョコしていたのを、腕を下からパーっとひまわりのように広げて、ステップの始まりを煽っていきます。この修正もよかった。ステップの終了で立ち止まってジャッジの方を向いての振付は、手を顔の横にやるものから手招きして挑発するような女性的なものに変わりました。スケートアメリカからNHK杯ではステップの途中の振付やタイミングに変化がありました。観客サイドからジャッジサイドに方向転換したときに、前はポーズをパーンととっていたのが、足を蹴り上げるようになりました。その直後にブラケットをするんですけど、ブラケットの後の姿勢をのけぞるように変えました。この1ヶ月の間には動きにバリエーションをつけてきました。8大会の演技を全て見返しましたが、変わったのはこれぐらいでしょうか。

3Lz-3Tの着氷後に右足だけで滑り、顔を伏せる振付。この表情が素晴らしいです。男の愚かさを悟るような女性らしい表情です。レイバックスピンからのトランジションと音楽とのマッチも素晴らしい。フライングキャメルの後の腕を開いてくるくるピョンピョンする振付は、2015-2016シーズンのモノマネしたい振付ランキング第1位です。ステップの前半部分のタイミングが、ほとんどの大会で狂いがなくて、いかに滑り込んでいたかが分かります。だから安定して音楽を表現できているのだなと。手で氷をさらうような振付がいくつもあって、それがまるでフラメンコで着る長いドレスのスカートのはためきを表現しているかのようでした。手で動きの流れを作って、そこに続くように体を動かす。それがスカートのように見える。すごく考えられたステップだと思いました。ツイズル~ループ~腕を開いてがに股。ステップの緊張感をほどいていくように緩やかにエレメンツを終え、指を折りながら男をそそのかす。「あたしを捕まえてみな」という具合にトップスピードに乗り3F、2Aと畳み掛けるようにジャンプを終えます。散々男を弄んだ挙句、男に頼らずとも生きていけるという強い女性像を提示したような、そんな演技でした。ディクソン、このプログラムに全身全霊を注いでパワー使い果たした説。

2015-2016シーズンベストプログラムのため息。シーズンの途中から加えた3Lz-2T-2Loの最後のタノが生きています。これが正しいタノの使い方ですよ!この控えめ加減。減塩味噌ぐらい控えめ。その後に駆け寄って行く振付は、実際に近づいていくというよりも、むしろ「大好きな人に近づきたい」という感情の表れなのではないかと思います。好きな人への思いを募らせていくかのように丁寧に、でも強さを増していくステップ。先述の駆け寄って行く振付の直後のブラケットとステップの終盤のブラケットが対になっていて、「よし話しかけるぞ」と決意する女の子のように見えました。3Fへと向かう助走で右手をバンッと出すところが、まさにそれです。コンビネーションスピンはいざ!と歩みを進めたのに、やっぱり無理だと引き返してしまう様子を逆回転で表現していると妄想しました。残念ながらコンビネーションスピンの後の顔を伏せる振付が、シーズンが進むにつれてなくなってしまったのですが、アチャーと顔を赤らめる王道少女漫画の主人公っぽくてかわいかったです。なんでなくしたんですか!おい!1番好きだったのに!フライングキャメルの後の駆け寄る振付は、全日本までが好きな人の後ろを付いて行く感じ。そして四大陸からが好きな人の正面から突っ込む感じ。でもどちらにしても結局話しかけられないまま終わってしまう。コレオシークエンスはしっかりとエッジの丁寧さを見せ付ける彼女の王道パターンです。これはスパイラルで足を下ろす瞬間まで神経を行き届かせて、ワルツジャンプでクルッと締めます。レイバックスピンはロシア女子のような脅威の軟体スピンではありませんが、しっかりと高評価を獲得しています。単なる柔軟性に限らない「やわらかさ」ってありますよね。ラインの醸し出すやわらかさ、空気のやわらかさ。そういったものが大いにプラスに働いているのでしょう。告白できなかったから諦めてしまおうかな・・・でも思い返してみると、やっぱ好きだな。そんな多くの人間が学生時代に心に宿したであろう感情を氷の上に具現化してくれました。全日本までが高校の教室、四大陸からが大学の図書館。そういった趣でした。大きく振付を変えたわけではないのに、空気が一気に変わりました。衣装のスカートのボリュームが素晴らしかったです。ピンクのひよこみたい。体が小さいので、衣装で大きく見せることは大切です。

エキシビションの動画リンクは、せっかくなのでショウマ・ウノさんの紹介してくださったスケートアメリカとTCCを貼っておきました。ティリティリしている傘を持ったペニーズフロムヘブンは、こんな洒脱なものを演じられるのかとびっくりしました。ツッバッサヲクダッサイは英語版でよかった。日本語だと笑ってしまうし、ボーカルなしだと寂しいので。腕のヒラヒラはカーテンみたいになっちゃう人多いのに、おかしくならなくてよかったです。腕の真ん中の部分の布を1番長くすればバランスとれるのか。ヒラヒラ衣装を使う少年少女のお母さんたちはマネしてみましょう。

大先生が大先生たる理由を抜群の安定感から示してくれました。ここぞというときに頼りになる、失敗しないのが宮原知子です。ワールドでは惜しくもメダルを逃しましたが、こんなこともありますわな。何か言われるような結果でも内容でも全然ありませんでしたからね。西岡さんが「新時代のミスパーフェクト」と実況でおっしゃったので、「あ、それ言っていいんだ」ということで、せきを切ったように言われるようになりました。僕も言うようになりました。そのパーフェクトっぷりが新しいシーズンも楽しみです。新しいLPのテーマが平和と愛ということで、また新たな一面を見せてくれることでしょう。ミスパーフェクトではあるけれど、女王ではない。女王というよりは姫。和服を着たお姫様。それが宮原知子大先生。
Comment:8
2016
07.13

デニス・マルガリク 引退

"Don't cry because it's over, smile because it happened" - Dr. Suess I have to say that this has been one amazing ride! Never in my life would I have thought that I would accomplish the things I did. Winning a national title, coming 12th at Jr. Worlds, competing at the World Championships and even making history. I have travelled around the world to places I always dreamed of. Made so many friends and memories that I will cherish with me forever. But as the saying goes, "All good things must come to an end," as I am announcing my retirement from international skating. However I don't see this as just an "end," I see this as a new beginning, a new chapter, which holds an amazing, awaiting experience. This was not an easy decision for me, but one that I believe is best for me. As I hope you all support it as much as I do. I would also like to thank all of my family, coaches, friends and fans for helping and supporting me on this incredible journey I have been so grateful to be a part of. You have all inspired me to be the hard working, optimistic, happy and dedicated person I am today. Giving me the tools and skills that I can use for more success and greatness in the near future.  So I thank you all! ❤

Denis Margalikさん(@dmargalik)が投稿した写真 -

驚きの引退発表となりました。アルゼンチンのデニス・マルガリクの引退です。ジュニアから卒業したばかりの19歳という年齢でした。これから四大陸の風物詩になってくれる選手だと思っていたので、とても残念です。アルゼンチン所属として国際大会に出場し始めてわずか2シーズンでした。マルガリクフォルダが充実する前に引退を・・・。まだ若いので、これからの人生に対してのプランもあるのでしょう。素晴らしい人生を!
Comment:2
2016
07.12

新ペア結成 ステラート&バーソロメイ

Excited to announce the new partnership of Deanna Stellato and Nate Barthlomay! #teamFlorida #teamUSA 🇺🇸

jpcoachさん(@jpcoach)が投稿した写真 -


ジム・ピーターソンのインスタグラムで発表されました。ネイサン・バーソロメイに新しいパートナーが見つかりました。お相手はディアナ・ステラートさん。ジュニア上がりのお嬢さんでも捕まえたのかと思っておりましたら、なんと32歳の選手でして、1999-2000シーズンのジュニアグランプリファイナルの女子の優勝者でした。スケート全然知らないときの選手さん。競技復帰が脅威の16シーズンぶりとなっております。16シーズンですよ16シーズン。人生の半分ぶりに競技復帰するってとてつもないですよ。メーガンやモナリザより年上です。すげえ。めちゃくちゃ楽しみ。
Comment:0
2016
07.12

新プロ情報5

パトリック・チャン
LP:A Journey

エリック・ラドフォードさん作曲です。ラドフォードさんがピアノを弾いているのをたまたま聞いて依頼したPさん。全メープルが涙しそうな曲になりますかね?

ハンナ・ミラー
SP:アラベスク(続行)
LP:Spring Wind、The Unbending Chinese Tree、Ad Martem

SPは昨シーズンと同じものです。LPの曲を聴いてみると、タイトルからも分かりますが中国っぽい音楽3つでした。ミラーさんの謎選曲が戻ってきました。こういうのが見たいんです。振付はナディア・カナエワです。タニスじゃないのは残念。

宮原知子
SP:ラ・ボエーム
LP:宇宙のやつ

昨シーズンのプッチーニブームから1年ずらして使う大先生。タラダニのオペラ座の怪人みたいなものですね。1シーズンずらすと被っている時より名曲度が増すという。LPは「惑星とジュピターとスターウォーズ」を混ぜているそうですが、惑星の中のジュピターじゃなくて惑星とジュピターですか?ということは惑星の他の曲もあり?宇宙のイメージで、平和と愛がテーマだそうです。回転不足の改善に取り組む少女が暗黒面に落ちるプログラムではないんですね。

ショーン・ラビット
SP:エデンの東
LP:マンボ

シーズン序盤からなかなかの仕上がりを見せているうさぎさん。SPの衣装は昨シーズンのものなので、まだ出来上がっていないのかな?上背があるのでボディコントロールが難しそうだけど、慣れてくればよくなりそうなステップでした。エデンの東の感動煽るポテンシャルハンパない。

ミライ・ナガス
LP:The Winner Takes It All

尺が少し足りませんが、どのように仕上がるのか。振付はデヴィッド・ウィルソンです。最初はアバターを滑ろうと思っていたそうで。SPの振付はジェフリー・バトル。

今シーズンは日本人選手の発表が早いぐらいで、他の選手が遅い。カナダ人のプログラムホント知らない。
Comment:2
2016
07.12

新カップル結成 ミスリヴェチコヴァ&チェーレイ

http://www.teraz.sk/sport/krasokorculiar-csolley-vymenil-talians/206193-clanok.html

グランプリシリーズのアサインから名前が消え、その去就に注目が集まっていたフェデリカ・テスタルカーシュ・チェーレイの2人でしたが、スロバキアの記事にテスタの引退が報じられました。この解散はチェーレイにとっては驚きだったようです。テスタは恋人との2ショット画像をしきりにアップロードしていたので、結婚を意識しての引退なのかもしれません。せっかく伸びてきたところでもったいない気もしますが、中間シーズンというのも引退を決意するタイミングですし、テスタの幸せを願いたいです。

そしてチェーレイですが、チェコのルチエ・ミスリヴェチコヴァとのカップル結成が併せて発表されました。カスカはどうなったんだという話は置いておいて、ルチエちゃんはノヴァクが引退してしまって(結局戻ってきたけど)から、新しいパートナーは見つけたのだけれど、カップルバランスが非常に悪くて、こちらもパートナーの引退で解散しました。なかなかパートナーに恵まれなかったルチエちゃんが、こうして優秀なダンサーであるチェーレイと組めたのは、ダンスファンとしてはとても嬉しく思います。競技はスロバキア所属で行うということです。連盟との交渉も迅速にスムーズに成功しました。カップルのハイライトは2018年のピョンチャンになると発言しています。チェーレイはソチの予選会で出場が次点で終わってしまったので、今度こそという気持ちは大きいでしょう。テスチェレはテスタのイタリアンな空気のカップルでしたが、新しいカップルは怪しげな大人のカップルになって欲しいという希望があります。新カップルは落下リフトするかな?
Comment:0
2016
07.12

ドリームオンアイスの感想

BSフジでも放送されたから感想だよ。

佐藤
今シーズンノービスの彼。2004年生まれ。鼻からメンデルスゾーンの湖という禁止曲のオンパレードの曲。スピンがもっと丁寧になればさらに伸びてきそう。

紀平
全日本ジュニアで拝見したお嬢さんが大きくなっている&垢抜けました。最近3Aをパシーンと決めたという話も聞きましたし、すごく期待ができますね。普通にスケートが上手くなっていて、バックでスッと滑っていくのがきれい。アホーニューワールド年相応でかわいくていい。

島田
ショタ界のテポドンの演技中の顔がショタでなくなってきているのだけれど、笑うとまだショタ。新LPロミジュリ。10代が滑るのが本来正しいロミジュリ。成長の影響なのかジャンプが跳びにくそうに見えました。特に男子は長い目で見なければ。エッジが跳ねてしまって、きれいに滑れていなかったところもたくさんあったので、これからが楽しみ。苦悩する様はリアリティーがありました。中3なんて人生で1番血迷う時期ですからね。

坂本
滑り始めからカーブが深くて気持ちいい&その流れからの3Loがかっこいいです。普通に滑っているときのエッジがグッと倒せているから無理なくスピードが出るのでしょうね。アーティストのアップテンポな曲にしっかり表情がつけられていて、すごくよいよ。ジャッジさん点数出してください。

宮田
映画の内容はともかく曲が素晴らしいパールハーバー。平和といういいテーマの選択です。ストーリーを演じたらアカン。重力に逆らうようなフワッとした動きが美しいです。このまま美しい映画の旋律コンプリートしていきそう。いずれレジェンドオブフォール滑りそう。

ゆは菜
ゆは菜はゆは菜と呼びたくなるキャラクター。演技見ながらシェールの曲熱唱しようと思ったのにサビを切られてしまいました。好きなのに。全編にわたってボーカルが使われているので、それに負けないように演じるのはとても難しいと思います。テーマは分かりやすいので、乗っていけるといいのですが。

友野
3つ目のジャンプが3Aという変態。フィギュアあるある早く言いたい。フィギュアあるある早く言いたい。日本選手に3Aの変態登場しがち。ジュニア男子で最後に3Aは大きなインパクトを与えられそうです。ユーロを見ているような気持にさせられる音源で一抹の不安を覚えましたが、表情もいいし、全身全霊でタクトを振る指揮者のようでかっこよかったです。

ヌグマノワ
やっとジュニアにやってきた子供。ロシアジュニアでは上位にいて知られていた選手ですけど、リンクの使い方が少し小さくて、ジュニアに上がってきてもそれほどの脅威にはならないのかな?と思っておりました。でも今回の演技はよかったです。大人びた動きを見せていて、これは何から培われているのだろうかと思いました。ロシアには日常にメロドラマが潜んでいるのかもしれません。

グメンニク
今シーズンもたくさんタノってくれるんでしょうね。曲が目まぐるしく入れ替わっていました。スケーティングが発展途上ですので、その演じ分けがシーズン中にやっていけるかどうかですね。

中村
茶髪より黒髪の方がいいじゃないですか。顔がおぼこいので、黒髪の方がキリッと締まって男らしく見えます。最後のピコピコ音楽のときのキビキビした動きが似合いました。クラシカルなものよりも、こういった方が実はいいのかもしれない。

白岩
怪我をしていたそうで、あまり動きがよくありませんでした。それに加えてジェフ振付という特に踊らさせるプログラムでしたし。成長期というのも重なっており大変だと思いますが、こらえてくれよ。

神宮アイスメッセンジャーズ
昨シーズンのプログラムを滑りました。後半部分カメラがアップになりすぎてやってることが分からないじゃないですか。シンクロが目に触れるチャンスなのに、いいところが分からない。ちゃんと引きで撮って!!!

新葉
まっちーの白夜行とも違い、女性的でいいプログラムだと思います。新葉こんなに女性的な動きができるようになったんですね。海外の大会でもこのお上品な髪型で滑りましょう。緩急と感情のアップダウン、この使い分けが向上しました。「ここさえ伸びれば世界でも戦える」というところが伸びた。はい、躍進。

草太
ジャンプはまだ抑えての滑りなんですけども、昨シーズンと演技が全然違うわけですが3か月の間に一体何が?ジャンプを跳べない分、表現や体の使い方に関して費やす時間が増えたのでしょうか。カウカクとして型通りに演技しているなという動きだったのが、一気に爆発して壮大な動きに変わりました。これはPCS出るやつじゃないですか。ジャンプはよ戻っておいで。

真凜
これ絶対合うやつやん→やっぱり合うやん。こんなの最前列にクラスの男子全員並べてみなさいよ。みんな好きになっちゃいますよ?清潔感もありつつ少しコケティッシュなかわいすぎるプログラム。ズエワ2シーズン連続のグッジョブ。

デカ
フェリーニメドレー・・・カペラノ・・・デカはカッペちゃん?コミカルプロはスケーティングがいい選手じゃないと映えないし、フットワークがよくないと、ピョコピョコしてるだけに見えてしまうので、技術が向上した今だからこそできるプログラムだと思います。

えみマリ
友達に連れられて港町のバーに行ったマジメくんが、悪ぶった女と出会う。水と油だった2人がダンスをすることで心を通わせていく。そんな雰囲気があるプログラムでした。SDだと思いますが、SDこれだけお腹を出した衣装は可能なんでしょうか。これはエキシ用?

むらむら
新SPのファルーカ。髪縛るのいいよー男子選手短髪が多いから目立つよー。ステップには旋律が全くなく、パーカッションでカタカタと踏んでいく難しいものになっています。南里のカルメン思い出します。まだまだ滑り込みが足りていないので、完成したときにどう完成するでしょうか。

すみオデ
ヴぉーくらーはーと始まると思ったらヴァイオリンさんでした。いい音源見つけましたね。ツイストはダブルからトリプルになりました。でもまだ発展途上です。エンドロールの流れてきそうなプログラム。NHK杯で冬の北海道に桜を咲かせてください(ふっ決まった)。

本郷
赤!黒!金ピカ!カルミナ・ブラーナ!悪の幹部感あるやつきたあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!強さ一辺倒ではなく、かなり女性的な面を前面に押し出していて、いい意味で裏切ってくれました。

かなクリ
フィギュアスケート有能TVによるとクリスが見つけてきた曲らしいです。女美しいだろドヤァプログラムではリード組のときには見られないものだったので、こういうのいいですね。

メドベージェワ
公然オタクううううううううううううううううううううううううううううううううう自分の声録音した月に代わっておしおきよwwwwwwwwwwwwwwwwwwオタクってやっぱすげえ。武内直子にもサインをもらい、オタ充な来日になりました。

宮原
ファイアーダンスより不健全さが増した大先生。衣装にリップ専用ポッケが作られているのワロタ。でも演技が終わるとただただかわいらしいお嬢さんに。それがまた魅力の1つです。床の間に置いておきたい。

新葉と草太のシニアデビュー組。とても楽しみ&期待できる。
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2016
07.11

2015-2016シーズン ジェイソン・ブラウン

ジェイソン・ブラウン

オンドレイネペラトロフィー 優勝
スケートアメリカ 3位
アイスチャレンジ 2位

SP:Love Is Blindness
SP:Appassionata
LP:ピアノレッスン
EX:Canned Heat

頭おかしい1つ目のSP。シーズンオフの振り付けの映像が出た時点で、ステップの休憩や力の抜きどころのなさに驚愕し、これほど要素を詰め込んでも人間は演技をし続けられるものなのかと思いました。最初の3Aの入りは慎重に。普通のバレエジャンプをすると見せかけて、反対側に体を回して入っていくフライングシットがかっこいい。そこからリンクの左端までクロスで進んでから、フリーフットである左足をクイッとさせた、その置き方がなんともオシャレ。チョクトーで方向転換して蝶ネクタイをキュッキュッとしてからの3F-3Tもいいです。着氷後に片足で滑る振付とトゥステップが、その直前のチョクトーの雄大さと対称的で、お茶目な部分を一層観客に伝わりやすくしていると思います。チェンジキャメルの出でフリーレッグを振り子のようにして、それに続くように両腕をブンッと振る動きは、「もういっちょやったりますか」とフロアで踊る彼の様子を見せているようでした。稀代の鬼ステップは一切休むところがなくて、前半でスタミナを使っていると露骨に疲れが見えてしまう危険なものです。チョクトーからループ、その回転のまま足を踏み変えてホップ。さらにホップを入れてキック。足がプルプルしそうな前半部分。後半部分にターンがたくさん入っていて、ここは音楽に合わせるのが難しそうです。実際きっちりと合わせられていたようには見えませんでした。そういったところがプログラムを変えるに至った理由の1つにあるかもしれません。ガチムチになる前のソチシーズンの演技と比べると、エッジが深くなって、押して押して滑っているような感じは緩和されてきたと思います。それでも、クロスの音楽とのマッチングにはまだ課題がありそうで、これから改善して欲しい箇所の1つです。ステップはスケートアメリカではレベル4を獲得できましたが、+1.20の加点だったので全てのジャッジからは+2はもらえませんでした。地元でこの評価だったので、まだまだ足りないということなのでしょう。このアップテンポな選曲はブラウンとしてはかなり挑戦的なものでしたから、中間シーズンとしては正解でした。完成形を見たい気持ちはありました。

TCCで披露した新SPは、LPのしっとり路線を持ってきた反則だろ感もありつつ、こんなの滑ったら高得点出るに決まってるじゃん感もあります。いきなりスパイラルでグッと演技に引き込みます。旧SPと違い、フリーレッグを動かして魅せるのではなく、静止させ指先の動きでアピールする。そんな3A前に向かう前のリンク右端の助走。湛えた悲しみを振り払うようにフォアで突っ走り、流れのあるステップから入る3F-3Tの工夫。そして、3Lzの前にも手を広げてフォアで派手に走って行きます。前のプログラムならこのような構成は、細々としたステップから浮くと思いますが、この音楽だからこそ成立すると感じました。3Lzを着氷したときのフリーレッグと腕の角度の美しさ。これも素晴らしいです。スパイラルを多様したことにより、LPとの差別化は失われてしまいましたが、計算しつくされた構成でした。

LPはピアノレッスン。ピアノレッスンという選曲が出た時点で、まず演じるハードルが上げられます。デロションのプログラムがあるというのはもちろんなのですが、この音楽はとてもいいので、どのスケーターが滑っても大抵いいプログラムになってしまうんです。三大いいプログラムになりやすい曲はピアノレッスン、エデンの東、ラフマニノフピアノ協奏曲第2番。曲の助けが借りやすいですしね。僕の中で見る目は厳しく、合格ラインの高さが何十年も世界記録が出ない走高跳のバーのような状態に加え、怪我明け、さらにはワールドが終わって完全に気の抜けていた僕の目に飛び込んできたTCCの演技。ラインをパーンと跳び越えていきました。ジャンプ構成を落とし、後半の3Aの入りが簡単になり、、コンビネーションスピンがやや簡素になり、3Fの前のバレエジャンプがなくなっても、それでも跳び越えていきました。2Aの前の大きなファンスパイラル。これでまず引き込まれます。よく男子選手のスパイラルやスピンを賞賛する言葉に「女子選手並みの~」というものがありますが、いやいやそういうのじゃないんです。これは男子選手だからこそ美しい。身長もそうですし、たくましい筋肉があるから女子選手とは違った趣が感じられる。悲哀の中にあっても失わない芯の強さ。そのようなものさえも感じ取ることができます。緩急のついたステップではディープエッジを見せる一方で、踊りの美しさでもうっとりとさせてくれます。お客の来ない寂れた雑貨店のショーケースの中で踊る人形のような、たくさんの人の目に映りもしないけど、いつか誰かが自分を見つけてくれる日を待っている。闇の中の一筋の光を掴むような。ポエムが止まらないです。指先を見つめてからアラベスクスパイラル、ウォーレイ、3Lz、3F-3T、2Aと畳みかけるように要素をこなして絶品のコレオシークエンスへ。特別変わったことをしているわけではありませんが、ここまでの振付をまとめ上げる美しいエレメンツです。髪に触れ、後ろを気にするように入る3Lo。不安を抱えつつも前に踏み出そうとする感情表現になっていると思います。終盤に向かってゆっくりと暗雲が取り払われていくようなプログラムです。TCCの演技は2015-2016シーズンの全選手の演技の中で5本の指に入る名演だったと思います。ブラウンの演技を見られただけで、TCCを開催した意義がありました。これに4回転が加われば190点が見えてきます。

ボーヤンと昌磨の躍進で一旦はヤバいかな?と思いましたけど、プレシーズン、そしてオリンピックシーズンにメダルに絡んでくる存在に成長できるか楽しみになりました。腰の怪我がなければもっと活躍を・・・とは思いますが、また全米選手権での活躍を期待しましょう。美女ゴールドやワールド銀アシュリーよりも、USAFAのブラウンへの期待度は高いでしょう。もちろんポテンシャルがあるというのもそうですし、時代が求める存在だからというのも理由です。でも気負いすぎず、いつも笑顔のブラウンでいて欲しいです。NHK杯での日本語披露お待ちしております。去年欠場になってしまったので、絶対に絶対に絶対に来てください。THE ICEにも出ますけど、NHK杯というのが重要なのです。
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2016
07.07

2015-2016シーズン エレーナ・ラジオノワ

エレーナ・ラジオノワ

中国杯 3位
ロステレコム杯 優勝
グランプリファイナル 3位
ロシア選手権 2位
ヨーロッパ選手権 2位
世界選手権 6位

SP:ジュテーム
LP:タイタニック
EX:Imagine
EX:Worth It

昨シーズンのロシア人体型変化担当大臣の役職を与えられてしまったラジオノワさん。細さをキープしているのですが、幼女体系だった1年前と比べると明らかに別のスタイルになっています。しかしながら本当によくジャンプを堪えました。なぜか失敗しない3Lz-3Tは顕在ですし、ジャンプ全体の成功率も非常に高かったです。

16歳から17歳のシーズンに、命を投げ打つような愛の歌を滑るラジオノワさん。生き急ぎすぎなSPです。しっかりとスピードに乗って3Lz-3T。このジャンプはすべての大会のSP、LPに1本ずつ入れていますがリカバリーを含めた成功率は11/14でした。軽さで跳べなくなったので、昨シーズンよりも助走がしっかりめになりました。元々ジャンプに高さがある方ではなかったので、これだけの成功率をキープできていることが不思議です。ジャンプの着氷からすぐに天を仰ぎ見て、ヒラリヒラリと動きを流していくところは女優。「私にとってエレメンツなんてオマケよ」と言わんばかりの風格。フライングキャメルは特別変わったポジションを取っているわけではありませんが、高速のキャッチフットから緩やかに回転して手の動きまで美しく処理するドーナツスピンが美しいです。出を「ダッコー」という歌詞に合わせているのですが、これはOKという意味らしいので、自分を納得させるような言い聞かせるような、でも諦めも含ませるような感情を風を切るような動きに乗せているのだと思います。コンビネーションスピンは思い出を掘り起こしているような感じ。ソロジャンプへの助走に入る際に左手を掲げるような動きは、回想中に感情を高ぶらせることが浮かんで、感情のスイッチがパチッと入ってしまったような、そのようにも受け取れます。3Fに集中するために3Loよりも助走が伸びました。点数を狙うためには3F、プログラムにハマっているのは3Loでした。苦手な2Aの質はよくなくて、どの大会でも+1が並べばいいかなという評価なんですけど、本来±0のものを+1にしてしまう凄みがあります。「私の2Aはこれで完璧なんです」そんな凄みです。2A本体で稼げなくても、ステップのGOEを引き上げるための間接的な要因にはなっています。盛り上がりから入っていくのと、何もない状態からいきなり激しく動かすのとではジャッジの印象も違うでしょうから。身長が伸びた影響が1番出てしまったのはジャンプではなく、体の動かし方の方でしょうか。あまり大きく動かしてしまうと体が振られてしまうからか、腕の動きが小さくまとまっているんですよね。背中から動かせていないから連続で動きを見ると、いくら腕の曲げ伸ばしで展開を作っても一本調子に見えてしまうという。振付自体は好きなんですけどね。ステップに入ってから2回目のジュテームジュテームの後の左手を出しながら後ろ向きになって、両足で右回転、ループで左回転と方向転換するところがこのプログラムで1番好きな箇所です。コントロールができるようになれば滑りこなせるのになというプログラムでした。ボーカルはうるさいですけど、こんなものはLPに比べればどうってことはありません。

ジョリヘンと一緒に滑らせたいプログラム部門第1位タイタニック。両方ともセリフの存在感が強いから、いっそ共演させてしまえばいいという理由。いつか実現して欲しい。3Fの直後にいれた緩いダブルスリー、これはSPの3Lz-3Tの直後の動きと同じようなプログラムの隙間を埋める女優魂的細やかな振付。ステップ中の音源をヴァイオリンにしてボーカルなしにしたのは大正解だったと思います。タイタニックの浸水が始まってジャックを助けないと死んでしまうという緊迫感と焦燥感、そして体の動きが水の流れを表しているようでもありました。もちろんもっともっと美しく体を使えればポイントは高くなっていたわけですけど、今できる最大限のことを見せていたのだと思います。キャラクターの名前に合わせたローズのついた緑色の謎衣装は、似た色味のはあるみたいなんですけど、こんなに色が分かれてはいないので失敗。ローズの部分の色の上に、透けたグリーンを被せるみたいなものなので、競技用では難しそう。だから僕はこの緑色は大西洋の冷たく暗い海の色ということにしました。ここにジャックが沈んでいくのです。どうにか急場を乗り越えて脱出はしたものの、救命ボートがあるわけではなく、冬の海でジャック凍死。そして唐突に始まるセリーヌ・ディオンのボーカル with ビートズンチャッチャ。これがこのプログラムのうるささの原因。とにかく急すぎて。ストーリーの流れを知っている人だと順々に組み立てられていることは分かりますが、知らない人が見たら「えwwwwwいきなりwwwww」となることは必至です。ここでセリフなし&オーケストラの音源にすれば丸く収まる気もするんですけど、そうするとステップのヴァイオリンの音源との強さバトルに後半部分が敗北してしまう恐れが出てきます。よって、ボーカル with ビートズンチャッチャは誕生するべくして誕生した構成だった・・・のかもしれない。それにコレオシークエンスはリンクを広く使う非常に僕好みのやつですので、うるさいぐらいがちょうどいいのかな。ダイナミックにしないといけませんものね。コレオシークエンスは最後に控える2Aを盛り立てる役割もありますし、ダイナミックに・・・そうですね。これはそういうものだったんです。ラジオノワはリンクを駆け回るタイプなので、そういうところは非常に好きです。だって30×60もあるのにいっぱい使わないともったいないじゃないですか。ブッフェも一通りのメニュー手をつけておきたいじゃないですか。そんな理由によるリンク広く使う選手好き理論。よく言えば動きに特徴がある、悪く言えば動きに癖があるので、どちらの振付を依頼したかは定かではありませんが、シェイリーンにいい感じに洗練させて欲しいなと思います。

女優女優と申しておりますが、演技からキスクラからインタビューまで本当に女優だなと思う選手です。自分の中のフィギュアスケーター像というものを演じきっているように思います。バカにしているわけではなくて、素晴らしいことですよ。ミスをしてもそれをミスと思わせない力、それがあるだけでジャッジ1人のGOE+1分は平気で左右されますもん。僕はジュニアにデビューする前からラジオノワの表現が好きですし、ロシア選手の中では1番だと思っています。これからもまだまだ伸びて欲しい選手です。岡本知高風味の衣装でイマジンを滑ったり、イメクラのようなスクールガール衣装をまとい、エキシ要因としても欠かせないラジオノワさん。とにかくシェイリーンとの組み合わせが楽しみ。
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2016
07.06

2015-2016シーズン ハン・ヤン

ハン・ヤン

スケートアメリカ 4位
中国杯 3位
中国選手権 2位
四大陸選手権 3位
世界選手権 26位

SP:Sing Sing Sing
LP:ロミオ+ジュリエット
EX:A Destiny

今シーズンもお茶の間をイラッとさせる振付を考案してくれたローリー。SPの冒頭は漕ぎを少なくしてスピードを出す工夫をしています。バックで1、2、3と準備運動をするように徐々に勢いをつけます。ここで「ここからハンヤンのショーが始まるのよ」とカナダからローリーのアナウンスが入ってくるようです。ブラケットを1つ入れてリンクの端まで行って、ここからクロスが始まります。でも直前までクロスを入れてしまうと、ステップからの4Tとは取ってもらえないのか極力省くように徹しています。まあ昨シーズンのSPと入り同じなんですけどね。でも違うのは後ですね。昨シーズンのイラップログラムは立ち止って次の動きに移行していましたが、今シーズンは流れを生かして足を上げ、膝をついてコンビネーションスピンに入りました。墨をつけ直さずに一筆書きで一気に書き上げたお習字のようです。頭をポンッと叩いてヘにょへにょするプログラムの第1イラッポイントがあります。その表情なんですかね?というものです。そこはおもしろいからいいんですけど、その直後の指をパチンパチンと頭上で鳴らす振付。あれはやらされてる感が強すぎ。ローリーに糸をくくりつけられて、上から引っ張られているような。3Aまでの振付は物足りないです。後半にジャンプを入れるための時間稼ぎのように思えてしまって、もっとこう・・・引くくらいに見せつけるようなイーグルスキルを体得して欲しいです。今のは「僕ハンヤンだよー!イーグルだよー!」という感じ。3Aがダイナミックで、ステップで細かい動きを見せるのだから、このトランジションでも細かい動きを見せて後半への盛り上がりに使うぞーぐらいの勢いが欲しかったです。3Aの入りは四大陸までは昨シーズンと同じでしたが、世界選手権ではロッカーから入っていました。昔の丁半博打レベルの成功率からは脱したので挑戦をしたのだと思います。成功はまたの機会に。3A降りた直後にやる右足プシュプシュする動きかっこいい。3Lz-3Tまでの助走はいい感じ・・・に思えて何か足りない。いや逆でした。邪魔なものを見つけてしまいました。3Lz-3Tが邪魔。ジャンプじゃなくてトランペットの音色に合わせたハンヤンの滑り見せてよ!となります。次このプログラムを見るときは、脳内でジャンプ消滅させます。傀儡子ローリーの操作から解き放たれリンクを入り回るハンヤン。ステップの最初がいきなりレベルを取るためのロッカーカウンターツイズルなんですけど、レベルを取りながらトップスピードに入るすごいやつ。一気にリンクの2/3まで滑ってきて、ダイナミック「へ」(コンパス風味)でジャッジの前まできます。ここでトコトコと駆け出すんですが、ここはちょうど「音楽が鳴り響いたら、みんな街へと繰り出す」という歌詞なのでそのような振付となっているんですね。きっとダイナミック「へ」はドアを蹴破ったのでしょう。ジャッジに指差しするのは、「スウィングしながら歌おうぜ」というお誘いのようです。だからジャッジのおっちゃんおばちゃんはスウィングしなければならないのです。左のアウトと右のインを深く使ったムーブメント、両足でえび反りジャンプ、まさにスウィングの動きでのフィニッシュ。ステップは本当に素晴らしい。昔の見ているこちらが顔を赤らめてしまうような動きではなくなりましたが、まだまだ改善する必要のある踊り心であったり、体や表情の使い方。ここはパンちゃんにスパルタでしごいてもらうしかないでしょう。

ハンヤンがロミジュリで演じているもの、見せたいものは、傍観者から見た立場であるのか、2人を包み込む闇なのか、渦巻く想念なのか。それは結局のところよく分からないから勝手に解釈するとしましょう。でも何を演じているにせよ、ストーリーに沿ったものであるということは間違いないでしょう。前半は3A-3Tと4Tが2つ。しっかりと点数を稼ぐために構成は無難な印象。前半のトランジション同士がワンパターンかなと。胸を張り顔を上げる以外の箇所が基本伏し目がちなのが気になります。抽象的なテーマにするのであれば、ジャンプから表情もきちんと表現の一部にして作り込まないと自己完結して伝わりにくいです。プログラムで1番最初にいいと感じたところは、コレオシークエンスの出のイーグルからのチェンジエッジ。コレオシークエンスは印象に残らないけれど、ここからのトリプルジャンプの流れはとてもいいと思います。後半に入ってからの最初のジャンプの3Aから、グッとインに倒した滑りが静寂の中での感情の高ぶりを表現しているようです。バルコニーでジュリエットと会話をしているロミオの気持ちが熱として伝わってくるような、そんなグッとくるインの滑り。そこから助走の少ない3Loすぐに振付、3Lz-2T-2Loという風に、ロミオに呼応するようにジュリエットも気持ちを高ぶらせていくような。そんな平穏さから一転して、親友のマキューシオがジュリエットのいとこのティボルトに殺されてしまい復讐をするロミオ。そんな復讐のシーンはスピンの間に終わっているようです。このシーンへの入りは3Sを配置することによって、ぶつ切り感の緩和を狙っているのだと思います。この映画の曲を使ってしまうとぶつ切りになるのは仕方ないので、少しでも和らげられてよかった。普段ならステップのリンクの使い方もっとがんばって欲しいというところなのですが、このプログラムのステップは蛇行を多様していて、それがティボルトを殺してしまったことの苦悩、ジュリエットへの思いなどの想念の表現に繋がっていて、これはこれでいいです。ロミオの年齢って16歳の設定らしいので、高校生はそういうものじゃないですか。思いが行ったり来たりって。でも個人的に解釈した結果、これ傍観者でも何でもなくて、単にロミオを演じていただけなんじゃないか?という結論に至ってしまいました。後半の振付がよく練られていて、ネタにされるほど悪いプログラムでもないんです。衣装は完全なる部屋着ですけどね。これをロミオ衣装で演じていれば、なんてことはなく受け入れられたのかもしれません。LPでの課題は高難度ジャンプを入れてもトランジションまで作り込まれたプログラムを滑るということ。トップ選手は助走、跳ぶ瞬間まで表現が洗練されているので、そこに近づけるようにするということでしょうか。苦手なコンビネーションの抜けが減ってきましたし、ジャンプ技術は向上中です。

日本人のヴァイオリニストの曲で滑ったエキシは、競技用プログラムよりも人気だったかもしれないやつ。でもこの曲普通に素敵だし、ハンヤンの滑りとも合いすぎてしまって、競技用だと1シーズン経つ前に飽きてしまっていたのではないかと思うんですよね。それにこのような正統派はオリンピックシーズンまでとっておいて、おもしろいプログラムで表現の幅を広げている途中なんですよ。たどたどしさはありながらも前進はしているわけですから。

今シーズンのプログラムはSPを新しくして、LPは据え置きのようです。LPを使い続けるのであれば前半部分の刷新と衣装は普通にお洒落なやつを希望します。(ハンヤン聞こえますか?脳内に直接話しかけてます。ツーブロック似合ってないから夏の間だけにした方がいいよ。)1番手の座をボーヤンにとられてしまいましたが、4Sにも挑戦するそうなのでまだまだ分かりません。よし、勝て!
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