2018
04.21

マックス・アーロン 引退


マックス・アーロンが引退を発表しました。すでにメリルリンチで働き始めているそうです。

アメリカ男子が4回転時代に取り残されていく最中、ただ1人気を吐いて4回転ジャンプを複数回入れ、全米選手権で王者の座につきました。それでも、オリンピックシーズンの全米選手権ではあと一歩届かず、オリンピック出場はなりませんでした。JGPFも世界ジュニア選手権も四大陸選手権もあと一歩。GPSでは1戦目で素晴らしい演技をするも、2戦目は大きく崩れGPFに出場できないなど、非常に惜しい選手でした。それでも全米選手権優勝、グランプリシリーズでも優勝経験があります。誇るべきキャリアです。

シニア当初はホッケー仕込みのパワフルな滑りと処理甘すぎの眉毛にをジョニーに突っ込まれる選手というイメージでした。そこからフィリップ・ミルズの問題作プログラムで表現力を磨き、4回転の本数を絞ることで精度を上げ、徐々に洗練された選手へと成長を遂げました。アメリカ男子3枠獲得の立役者でもありました。結果的に現役最後の試合となった2018年世界選手権は、補欠の補欠の補欠だったのにも拘わらず11位にランクインし、しっかりと3枠を確保し、次の世代にバトンを手渡しました。

2015年国別対抗戦では、新調した次のシーズンのプログラムで滑りましたがSPは映像がブチ切れ、LPはコントかのような編曲のおもしろブラックスワンを披露。シーズンの最後にとんでもない爆弾を投下していったことが一番の思い出です。

メリルリンチに就職とありますが納得ですね。なんてったって、ISUの趣味の欄に「勉強」と記載してありますから。現役生活お疲れ様でした。
2018
04.20

アダム・リッポン 世界で最も影響のある100人に選出

http://time.com/collection/most-influential-people-2018/5217596/adam-rippon/

アダム・リッポンがタイム誌の「世界で最も影響力のある100人2018」に選出されました。選出され、タイムに掲載された紹介文を書いたのはシェール。完全に売れているリッポンさん。

ヒュー・ジャックマン
ロジャー・フェデラー
アダム・リッポン

安倍晋三
孫正義
アダム・リッポン

ドナルド・トランプ
習近平
アダム・リッポン

そんな知名度の人たちと肩を並べているわけですよ。10カ国の首脳、王族や世界的アスリート、歌手、司会者、経営者、学者そんなレベルにまで売れてしまったという事実。でも、オリンピックきっかけでアメリカメディアがこぞって取り上げるようになっただけで、リッポン自身は前とそれほど変わってはいないように見えます。リッポンはリッポン。仮に今引退しも、イベントに呼ばれるセレブかLGBTアクティビストとかになれそう。来シーズンのインターナショナルセレクションプール(アメリカの国際大会派遣対象選手)には入っているので、続けてくれるかも。

雑誌の一企画ですし、話題性で選ばれた面が大きいですけど、2018年を最も濃密に過ごしている人類の1人であることは間違いないでしょう。人生は何が起こるか分からない。「ショーン・メンデスかわいい!会いたい」って言って会えるぐらいだから、人生変わってる。
2018
04.18

2018年のフィギュアスケート殿堂入り

http://www.worldskatingmuseum.org/documents/2018%20World%20Hall%20of%20Fame.pdf

2018年のフィギュアスケート殿堂入りが発表されました。

荒川静香(日本)
ヴィクトール・ペトレンコ(ウクライナ)
エレーナ・ワロワオレグ・ワシリエフ(ソ連)
イリーナ・モイセーワアンドレイ・ミネンコフ(ソ連)
ビン・ヤオ(中国)
サンドラ・ベジック(カナダ)

荒川さんの殿堂入りは日本人としては伊藤みどりさん、佐藤信夫先生に次ぐ3人目です。アジア勢初のオリンピック金メダリストという功績があります。上から3組はオリンピック金メダリスト、モイセーワ&ミネンコフは2度の世界チャンピオンです。2人に関しては「アイスダンスにおける腕や上体の表現を発展させた初めてのカップル」とされています。ビン・ヤオ先生はご存じの通り、ペア大国中国を築き上げた功労者。ベジックは振付師としての功績があります。

荒川さんは引退してから12年。殿堂入りとしては早い部類に数えられます。オリンピック金メダリストでも20年~30年かかるのが一般的です。オリンピックの金メダルがなく、引退からわずか6年で殿堂入りしたミシェル・クワンは異常な早さでした。

引退から5年以上が経過という決まり以外、特に明確な選考基準があるわけではありません。しかしながら、功績・成績を考えると日本からは安藤美姫、髙橋大輔、浅田真央、羽生結弦の4人はいずれ殿堂入りするでしょう。荒川さんの表彰は全日本選手権か世界選手権で派手にやればOK。
2018
04.17

パトリック・チャン 引退

https://skatecanada.ca/2018/04/skating-legend-patrick-chan-retires-from-competitive-competition/

パトリック・チャンが引退を正式に発表しました。ピョンチャンオリンピックが現役最後の試合になるであろうことは示唆していたので、このまま止めてしまうのかと思いましたが、きちんと区切りをつけていきました。引退後はセミナーを通じてスケートを教えたり、アイスショーで滑っていくとのことです。素晴らしいスケーティングスキルを持つスケーターなので、カート・ブラウニングや佐藤有香さんのように人々に長く愛されるパフォーマーになってくれると思います。

亡きオズボーン・コルソン先生の下で磨き上げられた卓越したスケーティングスキルは、歴代最高の1人と目される質でした。ジュニアから上がった2006-2007シーズンには、当時髙橋大輔とエフゲニー・プルシェンコしか獲得していなかったステップレベル4の評価を受け、その才能の片鱗を見せました。当時のステップレベル4は、それだけ驚くべきものだったのです。翌シーズンにはグランプリシリーズで優勝し、カナダ選手権で初優勝。そのシーズンに世界選手権を制し、後に引退発表をしたジェフリー・バトルから伝統国カナダのバトンを引き継ぎました。

2008-2009シーズンは多くの有力選手が引退・欠場・不調という、男子シングルの世界では変革の年になりました。そこでドハマリプログラムのピアノ協奏曲第2番で世界のトップレベルまで駆け上がりました。北米選手が好んで使用するこの曲を、銀盤を愛でるように、ある時は力強く滑る姿に、次の時代を引っ張っていくという予感をさせました。バンクーバーオリンピックのシーズンは、ベテラン勢の巻き返しもあり、なかなか結果は残せませんでした。

「4回転ジャンプを跳ばない」その急先鋒だったPさんが、2010-2011シーズンから4回転をバンバン跳び始めました。SP・LPの両方で跳び、1本が2本になり、跳び始めたシーズンなのに誰よりも質が高いというチートっぷりでした。2011年カナダ選手権のパーフェクトな演技の衝撃は今でもハッキリと覚えています。冬の朝、この演技を見た時にアゴが外れそうになるぐらい驚きました。オペラ座の支配人と揶揄されるぐらい手旗信号だった動きが一新され、前シーズンと同じテーマで滑っているとは到底思えない進化でした。氷を足の指で掴んでいるかのような力強さと男らしさに惚れ惚れしました。今でこそTES100点越えが当たり前になりましたが、当時はそんな点数が出せるなんて思ってもみませんでした。世界選手権を初制覇し、パトリック・チャン時代が始まりました。ここから全ての男子スケーターが打倒パトリック・チャンの下に、4回転ジャンプの本数を増やしていきます。

2012年カナダ選手権は異次元の合計300点で優勝。2013年世界選手権で3連覇を達成し、プログラムの表現の幅もどんどん大きくなりました。未だに彼のプログラムで一番好きなのは3連覇を達成したシーズンのラ・ボエームです。あまり滑りやすくはなかったようですが、ニコニコのPさんとマッチする素敵なプログラムでした。足は臭いけど。

絶対王者として2度目のオリンピックシーズンに突入。エリック杯では国際大会では史上初めてTES100点台をマークし、独走態勢を築くかと思われました。それを阻んだのが羽生結弦です。グランプリファイナルで敗れ、ソチオリンピックでは僅差の戦いで金メダルを逸しました。その後は1シーズン休養。2015-2016シーズンに競技に復帰しました。

復帰してから出場したスケートカナダでは、いきなり羽生との対決。それでも「羽生のスケートカナダ優勝阻むスキル」を発動し優勝。2016年四大陸選手権は、自身の休養中に力を蓄えていた若手との戦いでした。首位のボーヤン・ジンとは12点差。ボーヤンはLPで4本の4回転を入れ、最終滑走のPさんが逆転するには全てのエレメンツを完璧に成功させるしかないという、追い詰められた状況でした。そして伝説のショパンメドレーが演じられたのはご存じの通りです。成功率の向上を試みた3Aが2本入り、熟練のスケーティングスキルと変幻自在と入れ替わる緩急は、フィギュアスケートの一つの到達点でした。

2016-2017シーズンは、エリック・ラドフォードにLPの楽曲製作を依頼し、Pさん自身の軌跡を辿る美しいプログラムを作り上げました。ベテランになって4Sを体得し、若手たちと戦っていきましたが、徐々にではありますが、ジャンプの確実性は落ちていました。3度目のオリンピックシーズンは、ジャンプの構成を落とし、団体戦金メダルを目標に掲げ、シーズンを戦いました。NHK杯を欠場し、カナダ選手権に出場。例年ならこの大会に合わせてくるPさんも、この年はミスが多発しました。しかしながら、高いスキルでカナダ選手権史上最多10度目の優勝を達成し、最後のナショナルを締めくくりました。ピョンチャンオリンピック団体戦では、目標の通り金メダルを獲得。スコット・モイアの「パトリックに金メダルを獲らせる」との言葉で、カナダチーム全体でPさんを支えました。カナダの圧倒的な層の厚さを見せつけたのです。団体戦も個人戦もフルパワーで戦ったカナダチームは結果的に団体・アイスダンス金、女子・ペア銅と大成功を収めました。

4回転ジャンプを跳ばなかったPさんが、自ら4回転時代を再構築し、それを超えるべくして若手が奮起。4回転ジャンプだけでは勝てない。スケーティングも表現も一流でいなくてはならない、一点突破型の時代からオールラウンドタイプ型の時代に移行させました。男子シングルの競技レベルを大きく底上げしました。彼の功績と素晴らしいプログラムの数々は枚挙にいとまがありません。豊かの部屋で怯えたチワワのようになったり、ラーメン大好きだったり、ワイン出したり、オリンピック村の部屋がすさまじい汚部屋だったり、ネタキャラとしても多大なる貢献をしてくれました。

これからのますますの活躍を祈願しています。。FC2ブログには検索ワードのタグ付けという機能がありまして、僕は大会名とそのエントリーに登場した選手名(タグは10個まで付けられるので、大会では上位選手だけ)をタグ付けしています。そのタグの登場回数は、男子選手でPさんが1位なんです。僕のブログにも貢献してくれました。ありがとうございました。

心残りはパトリック・チャン、羽生結弦、ハビエル・フェルナンデスの表彰台を見られなかったこと。見たかった・・・見たかったよう。
2018
04.14

新ペア結成 カララン&ジョンソン

新ペア結成にお知らせです。アメリカのジェシカ・カラランブライアン・ジョンソンがペア結成となりました。カラランはザック・シドゥーとリアルカップルだったので、予想もしていなかったです。ジョンソンはチェルシー・リュウとのペアが、シニア1年目になってようやく軌道に乗り始めたので、こちらも意外でした。2人ともジェニー・メノー&トッド・サンド門下ですので、気心は知れているでしょうから、すんなり馴染むと思います。新SPの振付はロヒーン・ワードです。パートナーは変わりますが、振付師は継続するようです。

チェルブラはソロジャンプが弱点でした。カラランはそれが得意なので、ソロジャンプ苦手なペアが多いアメリカでは一歩リードできるのではないでしょうか。次のシーズンに向けて皆歩み出しています。

※さらに追記
発表したと思ったらインスタグラムの投稿消してら・・・なぜに?と思っていたら投稿が復活していた。意味不明である。
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